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政経東北速報解説版 毎月2回(1・15日)発行
月刊政経東北
政経東北速報解説版
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株式会社東邦出版
福島県福島市南矢野目鼓原1-2
TEL:024-554-6101(代表)
FAX:024-554-6103
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 「地元で話題になった記事をもう一度読みたいが、図書館に行ってバックナンバーを探すのが億劫」、「書店で売り切れていて買えなかった」という声に応え、昨年反響のあった記事をWEB上で公開することにしました。カテゴリー別に分かれており、下記のカテゴリーから選択して、興味のある記事をクリックすると全文が表示されます。

連載

なぜ、福島は分断するのか(脳神経科学者 伊藤浩志)
 最終回 ―故郷喪失で心が痛めば本当に心臓が痛む―
 見逃されてきた「社会の病」

 人は1人では生きられない。生きるために仲間と助け合うしかすべのなかった人類は、社会的動物として進化した。隣人と仲良くする知恵を得ようと、200万年かけて脳を大きくした結果、脳と集団規模は霊長類最大となった。おかげで、寿命も最も長い。生き延びるために、仲間との関係を大切にしてきたのだ。だから、人とのつながりの豊かさを失えば、途端に命が脅かされる。今月号では、放射線災害に起因する故郷喪失が、いかに福島県民の心身をむしばむか検証する。 [続きを読む]



なぜ、福島は分断するのか(脳神経科学者 伊藤浩志)
 第5回 ―弱者で高まる放射線の健康リスク―
 「過剰」な不安の背後にあった格差社会の現実

 放射線に不安を感じる人もいれば、気にならない人もいる。なぜだろう。低収入・低学歴の人は、放射線不安を感じやすい。社会経済的弱者ほど、ストレスで免疫力が低下している。免疫力低下は、放射線のダメージを増大させるから、弱者が放射線に強い不安を感じるのは当然だ。「過剰」に見える放射線不安の背後には、格差社会の現実が横たわっていた。一方、「勝ち組」も安穏としてはいられない。前のめりの復興政策は、原発事故で拡大再生産された格差を固定させる恐れがある。格差の激しい社会では、勝ち組の寿命も短くなることが分かっている。つまり、復興推進一辺倒に走るのではなく、弱者の立場にも配慮して、格差という「社会の病」を克服することが、県民すべての健康水準を向上させると同時に、分断解消にもつながる。 [続きを読む]



なぜ、福島は分断するのか(脳神経科学者 伊藤浩志)
 第4回 ―「不安」は悪いことじゃない―
 "過剰さ"に合理性あった県民の被ばく回避行動

 放射線に対する不安とは、いったい何に対する、どんな不安なのか。世の中、当たり前と思っていても、実はよく分かっていないことがある。分かっていないのに、当たり前と思い込んでしまうから、行き違いが生じる。まさに、それが放射線不安なのだ。とかく、過剰に見られがちな放射線に対する健康不安。果たして、本当に過剰なのか。過剰だとしたら、なぜ過剰になるのか。その訳を、不安を感じる脳のメカニズムに即して科学的に検証していこう。 [続きを読む]



なぜ、福島は分断するのか(脳神経科学者 伊藤浩志)
 第3回 ―脳科学で明らかになった「不安」の正体―
 感情がなくなると理性は働かなくなる

 安全は科学の問題で、不安は心の問題──この安全・安心二元論を疑う人は、ほとんどいないだろう。健康リスクを語る上での大前提だ。社会通念では、科学による客観的なリスクと比べ、主観的なリスク(不安)は大げさになりがちで当てにならない、と信じられてきた。放射線に対する不安が、「過剰」扱いされる所以だ。ところが、脳科学の目覚ましい進歩で、過剰に見える被災者の不安に、生物学的な合理性があることが分かってきている。正当性があるのにきちんと評価されなければ、屈辱を感じるのは当然である。真の意味での復興には、被災者の尊厳の回復が欠かせない。今月号は、脳科学が明らかにした不安の正体に迫る。 [続きを読む]



なぜ、福島は分断するのか(脳神経科学者 伊藤浩志)
 第2回 ―脳科学が解明した「理性は後付け」のメカニズム―
 科学は「公正中立」という幻想

 放射線の健康影響をめぐり、終わりなき科学論争が続く福島。その結果、分断してしまった福島。分断解消のためには、理性的であるはずの科学の言葉がなぜか感情的になってしまう、そのメカニズムを知る必要がある。現代の脳科学によると、人間の価値判断の主役は直感で、理性は後付けに過ぎない。問題解決のヒントは、理性に対する人々の過信にある。絡まった糸を、なんとかほぐしたい。今月号は、常識をくつがえす、最先端の脳科学の世界からの謎解きにお付き合いください。 [続きを読む]



なぜ、福島は分断するのか(脳神経科学者 伊藤浩志)
 第1回 ―脳科学者が見た原発事故―
 誰もが「正しいのは自分だ」と思い込んでいる

 原発事故から8年。福島でいま、何が起きているのか――立場の違いを超えて、多くの人が指摘するのが「分断」だ。思いは同じはずの被災者同士がなぜ、分断してしまうのか。誰も望んでないのになぜ……。実は、これらのなぜに答えようとするのが筆者の専門分野、脳科学である。最新の研究によると、人間の意志は、脳の無意識的な活動によって方向付けられている。理性の働きは後付けに過ぎず、真の動機は自覚できない。では、なぜ、福島は分断してしまうのか。どうすれば、事態を改善できるのか。半年間の連載で、これらの問いに答えていきたい。長丁場になりますが、どうかよろしくお付き合いください。 [続きを読む]