終わらない台風被害
10月に福島県を襲った台風19号。その爪痕は想像以上に深く、1986(昭和61)年の「8・5水害」を上回る。台風が過ぎ去って1カ月以上経っても、行政は被害の全容を把握できていない。そんな状況に、被災者や企業は「対応が遅い」と苛立ちを募らせる。生活再建・事業再開の見通しが立たない背景には何があるのか、現場から聞こえてくる声を拾った。
〇浸水家屋の独自救済に消極的な県 国の顔色ばかりうかがう内堀知事
〇企業誘致の弱点が露呈した郡山市 中央工業団地で被害300億円超
〇「バス90台水没」に泣いた福島交通 求められる防災対策の徹底見直し
〇いわき市集団ノロ感染で発覚した不手際 「市長の姿が見えない」と憤る市民
〇簡単でない本宮「被災事業者」の再開 事業主を悩ますいくつもの心配事
〇復興途上の「あんぽ柿」に再度試練 一大産地の五十沢地区が浸水被害
人災が疑われる南相馬市高の倉ダム「緊急放流」
個別補償に応じない市に住民猛反発
台風19号の際、南相馬市原町区の「高の倉ダム」では緊急放流が行われたが、下流の高倉地区が甚大な浸水被害に見舞われたことから、住民は「人災だ」と猛反発している。ダムを管理する同市は「緊急放流は規定に基づいた対応だった」と人災を否定するが、住民の中には命を失いかけた人もおり、怒りが収まる気配はない。
双葉町復興拠点づくりは税金のムダ遣い
個別補償に応じない市に住民猛反発
台風19号の際、南相馬市原町区の「高の倉ダム」では緊急放流が行われたが、下流の高倉地区が甚大な浸水被害に見舞われたことから、住民は「人災だ」と猛反発している。ダムを管理する同市は「緊急放流は規定に基づいた対応だった」と人災を否定するが、住民の中には命を失いかけた人もおり、怒りが収まる気配はない。
双葉町復興拠点づくりは税金のムダ遣い
10%程度に過ぎない帰還希望者
福島第一原発事故に伴い、全町避難が続く双葉町は11月7日から30日にかけ、県内外11カ所で町政懇談会を実施した。町政懇談会は定期的に開催されているが、今回は避難解除に向けて大きな2つの動きに関する説明があった。
飯舘村秋の恵み測定リポート
いまもキノコから数万ベクレル検出
秋と言えば紅葉狩りやキノコ狩りが楽しめるシーズン。だが、原発被災地の飯舘村ではいまも汚染が残り、落ち葉やキノコに放射性物質が含まれている。飯舘村内の放射線量を測り続けている男性の"測定リポート"を掲載する。
保護者が憤る部活動"名ばかり改革"
教育専門家が語るルール違反の原因
本誌9月号で、部活動の活動日や活動時間に制限を設ける「部活動改革」が福島市で進んでいないことをリポートした。その後、複数の読者から「休養日を設けるというルールが守られていない」、「記事に出てくる教頭は嘘をついている」といった情報提供が寄せられた。部活動に関する保護者の憤りは相当根深いようだ。あらためて当事者を取材するとともに、こうした問題が起きる原因や背景について、教育専門家の声を参考にしながら考えてみたい。
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