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政経東北速報解説版 毎月2回(1・15日)発行
続・事件屋 竹内陽一氏の仮面を剥ぐ
月刊政経東北
政経東北速報解説版
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■時間がない!(十六年十月号)
 
 敗戦から五九年、戦後のシステムが限界に来ている。鉾先を憲法九条に向ける人もいるが、日常生活が破綻しつつあることの方がより重大だ。何度も書いているように、国の債務は七〇〇兆円を超え、特殊法人や地方自治体の債務を合わせると一〇〇〇兆円になる。坂口厚生労働大臣が「一〇〇年は大丈夫」と見得を切った年金改革も、団塊世代が年金を受給し始めれば破綻が早まるのは確実だ。小泉首相は『構造改革』を進めているが、手直し程度の改革ではどうにもならない。このまま公的債務が増え続ければ、行き着く先は「ハイパーインフレ」と「大幅増税」である。

 今やらなければならないのは、国・地方自治体の財政が危機的状況にあることを踏まえ、そこから議論することである。財政再建に妙案はなく、歳出を減らし、歳入を増やすしかない。税収が四〇兆円なのに、八〇兆円も支出することは許されない。まず、国・地方自治体の予算を大幅にカットする。実際にやってみて、顕著な不具合が出たら予備費で対応し、次年度から予算化すればよい。避けられないのは人件費削減で、公務員の給料・諸手当・退職金・年金を大幅にカットする。それに応じ、特別職の待遇も引き下げる。これを徹底すれば、二〇一〇年以前にプライマリーバランス黒字化は達成できる。これが、増税の前提である。

 にもかかわらず、小刻みに増税する一方、人件費削減には手を付けず、収益を伴う行政サービス部門の統廃合や独立行政法人化を進めている。要するに、非収益部門は温存し、収益部門は厳しく対応するもので、改革の名に値しない。

 郵政の民営化は賛成だが、簡保・郵貯は財投と国債で成り立っており、そのまま民営化するのは難しい。いったん清算しようとしても帳簿上の金があるだけで、実際は国債と不良債権の山だから手を付けようがない。簡保・郵貯資金を民間金融機関並みの金利で貸し出し、法人税や預金保険などを払えば郵政公社が黒字になる可能性はない。まして、三五〇兆円もの資金を自主運用できる能力などない。それでも民営化したいなら分割民営化ではなく、簡保・郵貯を解体して民間の生保・銀行に吸収し、郵便事業は公共サービスの一環として民間(あるいは地方自治体)に業務委託するのが賢明である。

 財政破綻のカウントダウンは始まっている。改革が遅れれば痛みは大きくなる。六五歳以上の指導者は未来に責任を負えないから速やかに退き、若い指導者にすべて委ねるべきだ。(奥平)

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