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政経東北速報解説版 毎月2回(1・15日)発行
続・事件屋 竹内陽一氏の仮面を剥ぐ
月刊政経東北
政経東北速報解説版
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■借金中毒の県・市町村(十六年十二月号)
 
 国の債務は七〇〇兆円を超え、特殊法人や地方自治体の債務を合わせると一〇〇〇兆円に達する。国の債務の話をしてもピンと来ないから、福島県と県内九〇市町村の話をする。

 県。十五年度末の一般会計の県債発行残高一兆一九八四億円(前年度比二四九億円増)、一〇特別会計の県債発行残高五八二二億円(前年度比三八億円増)、五公営企業会計の企業債発行残高四一七億円(前年度比七億円減)、計一兆八二二三億円(前年度比二八〇億円増)。

 市町村。十五年度末の普通会計の地方債発行残高九三三四億円(前年度比一八二億円増)、二特別会計の地方債発行残高三〇億円(同七億円増)、三六六公営企業会計の企業債発行残高八二七九億円(同一六八億円増)、計一兆七六四三億円(同三五七億円増)。

 県と市町村を合わせると三兆五八六六億円(前年度比六三七億円増)、県民一人当たり一七〇万円。これだけ膨大な借金を抱えながら、県民の多くが羨むような賞与や退職金を払い続けるのは一種の「背任行為」である。

 こう指摘すると、「特別会計や企業会計は独立採算制だから借金の部類に入らない」「福島県だけが多いのではなく、他県も似たようなもの」「国の施策が悪いのであって、県・市町村は懸命に努力している」などという。そのような論理が通用しないことは歴然としている。

 県の予算は九〇九六億円(十六年度当初、前年度二七〇億円減)。そのうち地方交付税は二三二六億円、これが毎年六%減り続ければ一〇年後一二〇〇億円になる。九〇市町村の予算は八一一六億円(十五年度決算、前年度比一九五億円減)そのうち地方交付税は二〇五〇億円、これが毎年六%減り続ければ一〇年後一一〇〇億円になる。これは控えめの数字で、地方税や国庫支出金なども増える見込みがないから予算規模はもっと縮小する。

 県も市町村も義務的経費(人件費、扶助費、公債費)は六〇%七〇%を超え、投資的経費は限りなくゼロに近くなる。新規採用をストップして人件費を抑えている地方自治体もあるが、職員の待遇を常識的な水準に是正したところは一つもない。

 増税が避けられないというなら、まず国・地方自治体が率先して痛みを引き受け、「これだけ努力しましたから、国民(住民)のみなさん、増税を認めてください」というべきだ。国に注文をつけても状況は変わらない。それこそ、「福島方式」を考え、全国の模範となるべきだ。(奥平)

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