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政経東北速報解説版 毎月2回(1・15日)発行
続・事件屋 竹内陽一氏の仮面を剥ぐ
月刊政経東北
政経東北速報解説版
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■いやな感じがする(十七年二月号)

 いやな感じがするニュースが二つあった。一つは、ビラ配りして逮捕・起訴された事件である。
 昨年一月、立川自衛隊監視テント村のメンバー三人が、自衛隊のイラク派遣に反対するビラを配るため東京都立川市の防衛庁官舎に入り、一カ月後、住居侵入容疑で逮捕され、起訴された。昨年十二月、東京地裁八王子支部は三人に無罪判決を言い渡したが、東京地検八王子支部は控訴した。

 昨年十二月、東京都葛飾区に住む共産党支持者の男性が、「都議会報告」「区議団だより」を配るため同区内のマンションに入り、住民の通報で駆けつけた警察官に逮捕され、起訴された。

 いずれも住居侵入罪になるのだろうが、逮捕・起訴すべき事件ではない。許可なく入り、入られることは頻繁にあるからだ。もっと問題なのは、自衛隊のイラク派遣に賛成する市民団体メンバーや自民党支持者が同所でビラを配っても、逮捕・起訴されなかったに違いないことである。近隣の平穏を乱し、違法行為をあおる内容でないなら「許可を取って行え」と注意すれば十分だろう。警察・検察の対応は「法律の厳正な執行」というより、市民団体メンバーや共産党支持者を反社会的勢力と見なし、「政権与党をサポートするのが国益に適う」とする土壌の現れのような気がする。

 もう一つは、スマトラ沖大地震から数週間経って、大規模な自衛隊による国際緊急援助隊をタイ・インドネシアに派遣したことである。イラクのときは「人道復興援助」、今度は「災害復興援助」というが、釈然としない。周知のように、自衛隊はイラクで重要な役割を果たしていないし、インドネシアで歓迎されていない。被災者を援助したいなら、阪神淡路大震災や新潟県中越地震の教訓を踏まえ、仮設住宅を建設し、重機類を持ち込んで瓦礫を片付けインフラを復興するため、資材と専門家を送り込むべきだ。そもそも自衛隊は戦闘部隊であり、復興援助組織に貶めてはならない。

 自衛隊の派遣実績を積み重ねることで「派兵アレルギー」解消を目論んでいるとしか思えない。増大する中国の軍事的な圧力、東シナ海・台湾海峡有事、予測不能な北朝鮮の対応などが背景にあるものと見られるが、それなら国民にきちんと説明すべきで、なし崩し的に行うべきでない。

 戦争に傾斜していった戦前と事情は異なるが、そのときの雰囲気に流されやすい国民性は変わっていない。虎(アメリカ)の威を借りて居丈高に振る舞うと、手痛いしっぺ返しを受ける。(奥平)

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