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政経東北速報解説版 毎月2回(1・15日)発行
続・事件屋 竹内陽一氏の仮面を剥ぐ
月刊政経東北
政経東北速報解説版
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■日本外交の敗北(十七年五月号)

 中国の反日デモの様子を見て、がっかりした。日本人は中国のことを知っているのに、中国人は日本のことをほとんど知らされていないからだ。

 われわれは『三国志』や『水滸伝』に親しみ、学校で漢文を習い、シルクロードにロマンを馳せてきた。戦後建国した中国(中華人民共和国)と国交を結んでからは、お詫びに三兆数千億円のODAを提供し、それが驚異的な経済発展につながっている。また、中国の広大な砂漠を緑に変えようと、ボランティア活動を続けている日本人がたくさんいる。李肇星外相の発言にならえば、「戦後の日本は中国国民に申し訳ないことをしていない」と断言できる。戦後処理を批判し、日本の国連常任理事国入りに反対している盧武鉉・韓国大統領にも同じことをいいたい。

 中国と韓国はドイツの戦後処理を高く評価し、日本の対応を厳しく批判するが、日本はドイツと事情が違う。周知のように、ナチスがユダヤ人を大量虐殺したことから戦前のドイツは全否定された。そういうと、「南京虐殺」を持ち出す人がいるが、著書によって数万人から三〇万人のギャップがあり、しかも軍服を脱いだ中国兵もいたから、非戦闘員の犠牲者の数は明らかになっていない。数十人数百人規模でも虐殺は虐殺だが、少なくともナチスのように「殺人工場」で殺戮したわけではない。問題を複雑にしているのは、中国側が日本側の協力を得て検証しないまま、「三〇万人虐殺説」や「捏造写真」まで歴史的事実としていることである。

 ドイツ人はナチスを断罪することで周辺国との和解を進め、精神的な安寧を得てきた。ドイツの戦後処理の特徴は、.淵船紅蛤瓩猟謬據↓∪鐓々颪悗稜綵、H鏗下圓悗諒篏の三点。被害者への補償は、国・民間会社が二〇三〇年までに約一二〇〇億マルク払う―というもの。

 当時、戦争に反対したのは共産党くらいで、みんな戦争に協力した。だから、軍部をナチスになぞらえることをせず、それぞれが責任を意識し、徴兵されて亡くなった兵士も戦犯に問われた指導者も、ともに戦争の犠牲者と捉え、靖国神社に参拝してきた。それは世界で通用しないことが分かったが、小泉首相が賢明に立ち回っても尖閣諸島の領有権や日中境界線のガス資源などの問題を持ち出されるだろう。

 中国は朝鮮戦争に参戦し、チベット、ウイグルを併合し、インド、ソ連、ベトナムと戦火を交えた。文化大革命の際には数千万人の犠牲者を出したといわれている。中国は日本を非難する前に、自国の歴史を振り返るべきだ。(奥平) 

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