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政経東北速報解説版 毎月2回(1・15日)発行
続・事件屋 竹内陽一氏の仮面を剥ぐ
月刊政経東北
政経東北速報解説版
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■閉塞状態の日本(十七年七月号)

 公共事業がピーク時の半分以下になったにもかかわらず、企業倒産件数・負債総額は減少している。金融機関の不良債権処理が進み、うかうかすると「債務超過」の烙印を押されかねないから、大リストラを行った結果である。なかには、早期退職を余儀なくされた人々、年収を大幅に引き下げられた人々もいる。だから、小泉首相や閣僚が誇らしげに「構造改革の成果」と語るのを聞くと、強い違和感を覚える。それでも「多少問題はあるが、国の進むべき方向は間違っていない」と思えるならよいが、そうでないから心配だ。

 たとえば、財政赤字問題。国・地方自治体が民間企業のように血のにじむようなリストラを行い、その上で増税を求めるなら理解できるが、申し訳程度に職員数・人件費を減らし、「官も努力しています」などというから白ける。物分かりのよい政治家が多いから、公務員は安穏としていられる。これからは逆に、公務員にとって物分かりの悪い政治家が必要だ。間もなく、県・市町村職員の賞与支給額が地元紙に公表されるが、筆者と同じ考えの読者は多いはずである。

 周知のように、靖国神社の前身は戊辰戦争の犠牲者を祀った東京招魂社。西南戦争後、対外戦争の犠牲者を祀るようになり、明治十二年、靖国神社に改称した。八百万の神に、新たな神が加わったことになる。すべての神の頂点にいるのが天皇である。

 戦前、靖国神社は国(軍)が管理し、戦後、政教分離で宗教法人になった。中国や韓国が小泉首相の靖国神社参拝を問題視するのは、戦前に回帰しているように映るからだ。小泉首相は「参拝して、不戦の誓いを立てるのがなぜ悪い」というが、歴史のケジメを求める彼らは納得しない。

 「国のために戦って亡くなった人を祀る特別な施設」といわれても、八百万の神の一つだから、こだわることはない。戦争には正と負の面があり、それを一緒にするのは問題だし、犠牲者の悼み方も靖国神社参拝が唯一ではない。まして、近隣諸国との軋轢を承知で参拝するのは、別の思惑があるとしか思えない。

 若い政治家はどうか。小泉首相より十一歳若い中川昭一経済産業相は参拝派。さらに十歳若い棚橋泰文科学技術IT相の意見を聞いてみたいが、参拝派なら世代交代しても状況は変わらないことになる。
自民党の政治家は靖国神社に参拝して愛国者の証を立てるが、それほど国の将来を心配しているようにはみえない。(奥平)



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