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政経東北速報解説版 毎月2回(1・15日)発行
続・事件屋 竹内陽一氏の仮面を剥ぐ
月刊政経東北
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日本の転回点(十七年十月号)

 九・一一総選挙で自民党が圧勝した。郵政民営化が国民に支持されたことになるが、小泉首相の今回の手法は議会制(代議制)民主主義の根幹を揺るがしかねない面がある。さっそく、郵政民営化法案に反対した自民党の国会議員が「民意を尊重する」として、次の国会に再提出される同法案に賛成するという。「つまらない法案のために政治家生命をかけるのはバカバカしい」と考えたのだろうが、「権力(小泉首相)に迎合した」としかいいようがない。信念より政治家生命を優先させる政治家は、国家・国民の危急存亡の際に日和見を決め込む。

 そもそも代議制は直接民主主義の代替で、有権者から選ばれた「代議員」の判断が尊重されることになっている。その代議員の判断が気に入らないからといって、直接、有権者に判断を求めるのは代議制を否定するもの。小泉首相が「代議制の欠陥を補完するため、今後も直接民主主義的な手法を採用する」というなら大賛成だが、自民党にとって不都合なテーマ(たとえば増税など)で民意を問うことは絶対にない。ある意味では、深刻なテーマでなかったからやれたといってよい。

 あらかじめ政党の政策が用意されていたら、政治家の出番がない。だから、選挙が終わったら政策を練り直し、それに議員は拘束されるようにすべきだ。
一方、国会議員のレベルが限りなく「庶民」に近づき、必ずしも狒良瓩箸い┐覆なっている。また、外交政策はA党、財政政策はB党、社会保障政策はC党というふうに、課題によって支持政党が異なることもある。つまり、「一人」「一つの政党」に白紙委任するシステムが時代に合わなくなり、国民の意見を集約する新たなシステムの構築が求められている。

 このままでは利己主義がはびこるから、議員が調整役となって、政府に「よりよい選択」を迫り、最後に政府が決断する―。ところが、議員や政府は自由にやりたいから、国民の関与を嫌がる。今回の総選挙は、国民の関与を求めたというより、国民の判断を利用して反対派の排除を目論んだもので、素直に評価できない。

 「政治とは、国家相互の間であれ、あるいは国家に含まれた人間集団の間で行われる場合であれ、要するに権力の分け前にあずかり、権力の配分関係に影響を及ぼそうとする努力である」(マックス・ヴェーバー著『職業としての政治』)。民主党に欠落しているのは「政治活動は権力闘争」という自覚がないことだ。        

(奥平)

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