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政経東北速報解説版 毎月2回(1・15日)発行
続・事件屋 竹内陽一氏の仮面を剥ぐ
月刊政経東北
政経東北速報解説版
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全体主義国ニッポン(2006年9月号)

 7月31日、埼玉県ふじみ野市営プール(流れるプール)で小学2年生の戸丸瑛梨香さんが排水口に吸い込まれて水死した。施設設置者及び施設管理を請け負った民間会社の過失責任が問われるのは当然のことである。

 さっそく、教育委員会を所管する文部科学、都市公園を所管する国土交通の両省は「安全確保のための緊急自主点検」を呼びかけた。当然のように受け止める向きがあるかもしれないが、余計なお世話だと言いたい。

 危険性があるなら、施設設置者が自主的に安全を確保すればよいわけで、国が「排水口がボルトで固定されていない施設は使用するな」などと指示するのは、いかにも事大主義。ボルトだろうが針金だろうが、安全か安全でないかの判断は施設設置者に委ねるべきで、国は口を出すべきでない。

 というのは、国の指示がなければ何もしないのは地方分権の趣旨に反するからだ。地方分権とは、外交や国防など国の根幹となる施策を除き、地方自治体の裁量で行政を進め、半面、大きなリスクを負うもので、プールの管理もできないようでは話にならない。

 マスコミ各社が注意を喚起するのはよいとして、それ以上は過剰報道。秋田県藤里町の2児殺害事件、北朝鮮のミサイル問題、プール排水口事故、小泉首相の靖国神社参拝、高校野球――というふうに、次から次へと同じテーマを集中豪雨的に報道する。

 「視聴者・読者が求めている」というより、「他社に遅れを取ってはならない」という方が当たっている。特にテレビ局は、視聴率が取れるうちは追いかけ、胡散臭い人物を起用しても恥じない。スポットCMより短い小泉首相の「ワンフレーズ語録」はテレビの産物で、その意味を問い質したらイメージとは違ったものになっていた。要するに、取材する側もされる側も深い思索がない。

 「改革」に反対ではないが、戦後の理念や諸制度をどれだけ深化させる努力をしたかは疑問が残る。すべて中途半端なまま、部分的な手直しで済む話を「改革」と称し、些細なことを大げさにふるまって混沌とした状況をつくり出し、戦後的なものを破壊しているようにも見える。

 ノスタルジーから言うのではない。敗戦から61年経つのに、国もマスコミも全国一律、全国一斉、事大主義から抜け出せていないから、心配で仕方がないのだ。これでは、中国や韓国の犇肯稔瓩鮠个┐覆ぁ 

(奥平)

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