ホーム
バックナンバー
ウェブ連載「巻頭言」
ウェブアーカイブ New
政経東北速報解説版 毎月2回(1・15日)発行
続・事件屋 竹内陽一氏の仮面を剥ぐ
月刊政経東北
政経東北速報解説版
ご挨拶/会社概要
株式会社東邦出版
福島県福島市南矢野目鼓原1-2
TEL:024-554-6101(代表)
FAX:024-554-6103
Email:info@seikeitohoku.com

仕事をしていない原子力安全・保安院(2007年3月号)

 福島第一原子力発電所での冷却用海水の温度データ改ざんをきっかけに東京電力が進めてきた内部調査で、法定検査にかかわるデータ処理の改ざんは県内10基の原発のうち9基で行われていたことが分かった。確認できた改ざんは昭和50年代前半に始まり、188回に及ぶという。

 東京電力が公表した福島第一・第二両原発で行われたデータ改ざんは、〜躪臧蕾拈能検査109回、非常用ディーゼル発電機・炉心スプレー系及び低圧注水系機能検査50回、0汰簡欷邨論瀋蠱由稜Ц〆15回、ぐ汰簡欷邨亙欷邯―侏彖農能検査13回、ジ胸厦停止余裕検査1回。

 最も深刻に受け止められているのは、福島第一原発1号機で昭和54年から平成10年まで続いた原子炉とタービンを結ぶ蒸気配管の内部圧力の検出・表示に関するデータの改ざん。これらの数値は配管破損による放射能漏れの発生を防ぐため、安全管理上の指標となるという。

 公表を受け、佐藤雄平知事は「憤りを感じる。国はどのような指導をしているのか。県民の安全・安心のため、会社の風土を直してほしい」と厳しく注文を付けた。一方、原発を所管する経済産業省原子力安全・保安院(保安院)は、東電から提出された報告書の分析作業を進め、「法令違反があれば厳正に処分する」としている。

 一連のデータ改ざんの新聞記事を読んで思わず笑ってしまった。データの収集や分析を事業者が行い、それを保安院がチェックしていたに過ぎないことが分かったからだ。保安院が「事業者は都合の悪いデータでも正直に報告するはず」と考えていたのは明らか。こんな「企業性善説」を前提に原子力政策が進められていたことに驚かされる。

 産廃最終処分場は、持ち込まれる産廃や浸透水の分析結果を定期的に保健所に提出することになっている。基準値を超える可能性があるなら、業者は別の材料の分析を依頼し、その結果を保健所に提出するはず。そういう行政がいまも行われている。

 産廃最終処分場の設置を許可した行政機関が試料を抜き打ち採集して分析しなければ、データの信頼性は得られない。原発も同じで、重要なデータは保安院が収集して分析すべきだ。

 東電がデータ改ざんを公表したのは犒敕扠瓩世辰燭ら。これが運転停止につながる深刻なものだったら公表しなかったかもしれない。要するに保安院は犲造里△觧纏瓩鬚靴討海覆ったわけで、それが大きな問題だ。

(奥平)

巻頭言一覧に戻る