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政経東北速報解説版 毎月2回(1・15日)発行
続・事件屋 竹内陽一氏の仮面を剥ぐ
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崩壊への道を歩む日本(2007年10月号)

 安倍晋三首相の唐突な政権投げ出しには驚かされた。もっと驚かされたのは首相臨時代理を置かず、病院に逃げ込んだことである。 首相は行政のトップであると同時に、自衛隊の最高司令官でもある。いつ起こるか分からない有事への対応が万全だったとは思えない。 「そういう事態は起こり得ない」と高をくくっていたとしたら、無責任極まりない。 「日本はアメリカの属国だから心配ない」という冷ややかな見方もあるが、最高権力者の猴弔記瓩鮴こΔ房┐靴燭海箸砲茲覲宛鯏なダメージは大きく、 「国連常任理事国を目指すなんて100年早い」と言われかねない。友好国・非友好国双方の指導者から、苦笑・失笑が聞こえてきそうだ。

 社会と政治の劣化は不可分の関係にある。分岐点となったのは昭和末期からバブル崩壊とみている。 昭和末期150兆円だった国債発行残高はバブル崩壊以降、景気対策を名目に浪費を重ね、二進も三進もいかなくなった。 本来なら、20年程度のスパンで公務員の人件費を削減するなど歳出を抑制し、収支バランスを回復させるべきだった。 ところが、平成元年4月に消費税を導入したにもかかわらず、債務削減には回らず、法人税や相続税など「税制改革」の穴埋めに使われた。

 本格政権と期待された宮沢・橋本両内閣は財政再建の重要性を認識しながら、国民や自民党内の雰囲気に抗することができず、妥協を重ねた。 国民の人気が高かった小泉内閣は、金融機関の不良債権処理など一定の成果を上げたものの、財政再建に無頓着だった。 「戦後レジームからの脱却」など抽象的なテーマで勝負しようとしていた安倍首相がつまずくのも無理はない。

 小泉元首相、安倍前首相、後継を争った福田首相、麻生前幹事長が揃って世襲議員なのは象徴的だ。世襲議員は国会議員の4分の1を占めているから不思議でないが、 人材供給の先細りが自民党をメルトダウンさせたと言える。

 福田内閣の課題は何か。アメリカとの関係など外交は重要だが、何より財政再建の道筋をつけることである。 これは国民に犠牲を強いるからだれもやりたがらないが、遅れれば遅れるほど痛みが大きくなる。 自ら痛みを引き受けないで、国民にのみ痛みを押し付けるわけにいかないから、まず政治家と公務員の人件費を大幅にカットし、範を示すことである。 しかし、自民党政権にできるとは思えない。それは民主党政権になっても同じだろう。日本は確実に崩壊への道を歩んでいる。

(奥平)

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