|
|
いつの時代も「これでよし」ということはなく、課題をいくつも抱えている。
取り組み方によって、結果が異なるのは言うまでもない。それは国・地方自治体、
企業・家庭も変わらない。しかし、両者には大きな違いがある。
企業・家庭は舵取りを誤れば深刻な事態となる。一方、国・地方自治体は際限なく借金できるから淘汰されない。
5年後10年後、政治家の判断や施策が間違っていたことが明らかになっても、ポストにとどまっていないから責任を問われない。
だれかに追及されたら、おそらく「当時の判断としては間違っていなかった」「諸般の事情からやむを得なかった」などと弁解するだろう。
福田首相(知事や市町村長をイメージしてほしい)は温厚で、いい人だと思う。政治・行政のシステムを維持することが自分の役割と心得、
それに腐心しているように見える。平時ならそれでよいが、非常時なら無策だ。結局、現状をどのように認識するか――に帰着する。
周知のように、国・地方自治体が財政難のため、社会に活気を取り戻すための投資が困難になっている。
それが外国人投資家の「日本売り」(株安)につながっている。これが「危機」ではないのか?
福田首相は昭和11年7月生まれ、72歳。こうした事態への正確な理解と的確な対応を求めるのは難しい。
また、明治維新の原動力となった青年たちのような大胆さは期待すべくもない。ミスしたくないから改革に臆病で、
労力の大半を行政に費やしている(それは役人の仕事だ)。何より、若い世代に対して責任を負える年齢を越えている。
知事や市町村長にも同じことが言える。
基本的なルールを変えないで、手直しを繰り返すと矛盾が大きくなる。例えば、ガソリン税の暫定税率を廃止する場合、
税全体のあり方や地方自治体の財源などを整理しないと反動が大きい。自民党は「だから延長するしかない」として改革に後ろ向きだから、
混乱するのを承知でいったん廃止し、改革を進めるのも有効だ。
本誌が言いたいのは、政治家は細かい行政を役人に任せ、役人ではできない「危機」対策を講じなければならないということである。
国・地方自治体の財政はすでに破たんしているのだから、その処方箋を明らかにするとともに、その第一歩として、公務員の給与水準を「民間並み」に引き下げることが求められている。
(奥平)
巻頭言一覧に戻る
|