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政経東北速報解説版 毎月2回(1・15日)発行
続・事件屋 竹内陽一氏の仮面を剥ぐ
月刊政経東北
政経東北速報解説版
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年金世代の責任(2008年 3月号)

 鳩山法相は2月13日、法相の諮問機関・法制審議会に、成人年齢引き下げの是非について諮問した。政府の検討会によると、少年の保護処分を定めた少年法、飲酒・喫煙を禁じる法律など年齢条項がある法律は308あるという。議論に水を差すわけではないが、もっと大事なことがあるはず。若者を安定した仕事に就かせ、労働環境を改善することである。

 日本、韓国、アメリカ、イギリスのワーキングプアをリポートしたNHKスペシャル『ワーキングプア掘_魴茲悗瞭察戞丙鯒12月15日放映)は示唆に富んでいる。

 例えばイギリス。社会排除防止局の役人がぶらぶらしている若者に声をかけ、無職・低所得の親から自立を促すため就労を勧める。単に「働きなさい」ということではなく、「社会的企業」への就職を斡旋し、朝起きて仕事に行く習慣を身につけさせる。職業経験を積むことで社会との関わりを広げようというものだ。「貧困と社会的孤立による犯罪と疾病を再生産しない」というのがコンセンサスで、投じられた費用は10年で8兆円に達するという。

 日本の北海道釧路市。パートを掛け持ちして体を壊したシングルマザーを懸命にサポートする自立支援員(女性)は臨時職員で、夜は塾の講師。彼女の隣に座る正職員は、われ関せずの体。汗をかくべき人が違うだろう。日本には支援システムがいろいろあるが、形だけで実がない。

 2月8日の衆院予算委員会で、志位和夫共産党委員長が行った派遣労働についての質問はタイミングがよかった。大企業は派遣労働によって人件費をカットし、空前の利益を上げている。それが日本経団連トップの企業だからやり切れない。志位委員長は、違法な派遣労働を摘発しても正社員になれた人がいなかったことや、過酷な日雇い派遣の実態についても触れている。

 福田首相は「(非正規雇用が増えるのは)好ましくない」と答弁したが、どこか他人事風。切実な問題と思っていないようだ。「国際競争力を保つため」という経営者もいるが、利益を上げるための方便に過ぎない。

 年金生活者は「年金さえいただければ」と思っているかもしれないが、とんでもない。次世代を担う若者が低賃金を強いられ、結婚もできないのでは、年金制度も健康保険制度も破たんする。年金世代がしなければならないことは、若者が安心して暮らせる社会をつくるため、政治家に圧力をかけることである。

(奥平)

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