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政経東北速報解説版 毎月2回(1・15日)発行
続・事件屋 竹内陽一氏の仮面を剥ぐ
月刊政経東北
政経東北速報解説版
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保身に走った野地教育長(2008年 8月号)

 大分県の教員採用汚職事件を受け、野地陽一県教育長は7月14日、福島市内で開かれた県立学校長会議で、「(福島県では)このような不正は一切ない」と強調した。

 野地氏は東北大学法学部を卒業して県庁に入り、会津大学事務局長、農林水産部長、総務部長を経て、平成19年4月、県教育長に就任した。

 対照的なのが近隣県の対応。山形県教委は7月14日、過去5年間に実施した採用試験について、不正がなかったどうか内部調査に着手したことを明らかにした。翌15日、宮城県の村井嘉浩知事は「不正はないと思うが、念のため調査する」と述べた。同日、秋田県教委は「大分県の事件を対岸の火事視せず、これまで不正の余地がなかったかどうか選考方法の透明性を高めていきたい」とコメントした。

 野地教育長は4日後の18日、今年度の教員採用に際し、県議から特定受験者の合格を求められたほか、総務部長時代に外部から県職員採用の合否の事前照会があったことを明らかにした。教員採用の口利きはその場で断り、県職員採用合否の事前照会は合格発表後に県人事委員会から聞いて依頼者に連絡したという。県議の名前は伏せ、外部のだれかは記憶にないという。

 県議のことは犲続沖瓩ないから明らかにしたのだろうが、後者の話は素直に聞けない。「合否の問い合わせ」と言いながら実際は採用の口利きで、合格発表前に合否を知らせた可能性もあるからだ(そうでなければ意味がない)。

 図らずも「外部の依頼者」が県議より狃杜無薛瓩凌擁だったことを示している。具体的には、口が裂けても名前を出せない元上司や国会議員(秘書)など目上の人。野地教育長は「不正がない」ことを強調したつもりだろうが、逆に疑惑を深める結果になったのは皮肉である。

 思い出されるのは10年前の公費不正支出事件。川手晃県総務部長は県議会で「絶対にない」と答弁したにもかかわらず、県公費支出調査検証委員会(委員長=松井稔福島大学教授)は、平成6〜8年度にカラ出張などで不正に使用した公費が約30億円に上ることを公表した。これは職員の自主申告だから、厳正にカウントすると3年度で50〜60億円、さらにさかのぼると数百億円規模に膨らむ可能性もあった。県幹部だった野地氏は当然、弁済に応じている。

 今回の野地教育長の対応は川手元総務部長と変わらない。昔も今も「他県にあることは本県でもあり得る」とは考えないらしい。

(奥平)

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