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政経東北速報解説版 毎月2回(1・15日)発行
続・事件屋 竹内陽一氏の仮面を剥ぐ
月刊政経東北
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折り返し点を迎える佐藤雄平県政(2008年 11月号)

 佐藤雄平県政がスタートして2年、1期の折り返し点を迎える。前知事辞職に伴う出直し知事選で時間がなく、しかも参院議員からの転身だったため、政策の準備が十分でなかったのは否めない。だから抽象的な「活力」「安全・安心」「思いやり」が政策の柱になったとも言える。

 何でも熟知し、嫌味な物言いが多かった前知事と違い、謙虚な姿勢は好感が持てる。最大の功績は、宮城県大衡村に進出するトヨタ自動車グループの生産子会社「セントラル自動車」より規模は小さいものの、田村市に国内最大手の自動車部品メーカー「デンソー」の誘致を決めたことである。

 一方、気になることもある。例えば、道州制導入に消極的なこと。それなら、国(及び出先)―県(及び出先)―市町村の基本的なありかたを語るべきで、県(知事)の権限縮小を嫌ったのでは前知事と変わらない。原発増設やプルサーマルについても、前知事の考え方を踏襲しているようにみえる。最近では、全国学力テストの市町村別データの公表の是非を問われ、「われ関せず」の態。教育庁幹部の意を酌んだのだろうが、多額の税金を投じているうえ、学力向上にも役立つことから、「公表するのが望ましい」とコメントすべきでなかったか。

 佐藤知事は分刻みの日程をこなし、充実感でいっぱいに違いない。役人にとって好ましいのは、「財源不足だから人件費を30%カットしたい」などと無茶なことを言わず、何でも言うことを聞いてくれる知事。それを実現するには、知事に考える時間を与えず、常に答えを用意して置くに限る――というわけ。

 10月20日、佐藤知事は福島市の杉妻会館で開いた県総合計画審議会で、県の次期総合計画の策定を諮問した。その際、30年後の展望、5年間の施策展開という2つの視点を盛り込むことを求めた。

 目先の問題にとらわれず、長期的な視点から地域づくりを進めることに反対でないが、20年先30年先を見通すのは難しい。5年先10年先だって分らない。前知事は5期18年務めたにもかかわらず、「これが集大成」と言えるものを残さなかった。

 佐藤知事に求められているのは、大幅な財源不足の中で、縮小均衡型の予算を組むことではなく(そのようなことはだれでもできる)、どこの予算を大胆に削ってどこに回し、残りの2年で目に見える成果を出すことである。

 任期は4年だから「あれもこれも」というわけにいかない。ひとつでいいから、後世「佐藤知事の功績」と言われるような実績を残して欲しい。

(奥平)

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