ホーム
バックナンバー
ウェブ連載「巻頭言」
ウェブアーカイブ New
政経東北速報解説版 毎月2回(1・15日)発行
続・事件屋 竹内陽一氏の仮面を剥ぐ
月刊政経東北
政経東北速報解説版
ご挨拶/会社概要
株式会社東邦出版
福島県福島市南矢野目鼓原1-2
TEL:024-554-6101(代表)
FAX:024-554-6103
Email:info@seikeitohoku.com

麻生犹爐紡劉疇盂奸2008年 12月号)

 福田前首相が辞任したのは、新首相の「ご祝儀人気」を当てにして総選挙を行うためだった。与党が勝っても衆参両院のねじれは解消しないが、「これが直近の民意」として、参院に縛られない国会運営が可能になるからだ。

 麻生内閣が発足したのは9月24日。「選挙の顔」として期待され、本人も首相就任早々の総選挙を考えていた。ところが、世論調査の結果が散々なため、早期の総選挙を断念した。それなら福田前首相は辞めなくてよかったことになる。

 麻生首相は野党から「なぜ心変わりしたのか」と問われ、あれこれ言いわけしているうち世界金融危機が深刻になり、追加景気対策を言い出した。目玉は2兆円規模の定額給付金。これは連立を組む公明党(創価学会)へのプレゼント。

 「追加」とあるのは、原油価格高騰対策など10の柱からなる総合経済対策に次ぐから。総合経済対策は福田内閣時に決めたもので、これでは麻生カラーが出ないということで追加したわけ。笑えるのは、民主党の高速道路無料化策に対抗して、土曜・日曜・祝日は走行距離にかかわらず上限1000円にする――というもの(その結末が見ものだ)。

 麻生首相は金融サミット(G20)に出席し「外需に依存している国には内需に努めてもらう」「IMFに10兆円融資する用意がある」と発言した。外需に依存して長い不況から抜け出したのは日本だし、どの国も求めていないIMFへの多額融資を言い出す理由が分らない。諸外国に自らの存在をアピールしたいのだろうが、政権基盤が脆弱な中で見えを切っても信頼されないことに気付かないのは哀しい。

 現在の衆院の議席は小泉内閣の郵政選挙(05年9月)による。後継の安倍内閣(06年9月〜07年9月)は07年9月の参院選で敗北し、居直って改造内閣を発足させたが、わずか1カ月しか続かなかった。福田内閣(07年9月〜08年9月)は参院の与野党逆転で二進も三進もいかず、新内閣の下での総選挙に活路を見いだそうとした。どちらの内閣も総選挙で善戦したら、参院の議席にかかわらず短命には終わらなかった。麻生内閣は郵政選挙の3番手になるが、安倍・福田両内閣以上に正当性を欠く。「衆院の任期は4年」ということで居座るつもりか。

 麻生首相は「世界金融危機のさなかに、総選挙で政治空白をつくるわけにいかない」と述べたが、本格的な経済対策は総選挙の洗礼を受けた本格政権の下で進めるべきで、総選挙を先送りしていること自体、政治空白と言わなければならない。

(奥平)

巻頭言一覧に戻る