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政経東北速報解説版 毎月2回(1・15日)発行
続・事件屋 竹内陽一氏の仮面を剥ぐ
月刊政経東北
政経東北速報解説版
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おためごかしの雇用対策(2009年 2月号)

 雇用情勢が悪化したことから、全国の地方自治体で臨時職員の雇用が進められている。

 福島県は、臨時職員を200人程度雇用するほか、民間委託事業により40人程度の雇用を確保する。臨時職員は、農業試験場の農作物管理、道路・河川・地滑り危険個所の巡視、事務作業のデータ入力などを行う。民間委託事業は、起業支援事業や福島空港利用促進事業などで、委託費に臨時採用の人件費を上乗せする。予算規模は約5000万円。

 批判的な報道はないものの、雇用対策に取り組んでいることをアピールしたいのがミエミエで不愉快になる。どうしてもやりたいなら税金を使わないでやれ、と言いたい。その理由は、こうである。

 失業者を採用しても、データ入力はともかく、専門的知識を必要とする農作物の管理、危険個所の巡視、起業支援事業などの狎鑪廊瓩砲覆襪隼廚┐覆ぁおそらく、職員の傍らで農作業を手伝ったり、パトロールカーに同乗したり、あるいは整理整頓するのがせいぜいだろう。

 雇用期間は2・3月の2カ月間。1人当たりの受給額は約20万円。何もしないで金を配るのはまずいから、仕事のまねごとさせるわけ。これを善政のように考える県執行部の頭の程度に呆れる。

 これまで県内のニット、弱電、建設の各業界は大量の解雇者を出している。例えば、建設業就業者数は、全国で685万人(平成9年)から559万人(平成18年)に、県内で12万5000人(平成12年)から10万1000人(平成17年)に、それぞれ減っている。全国で100万人以上、県内で2万人以上リストラされたことになる。

 今回の「派遣切り」は、全国で9万人程度、県内で数千人程度だから、大騒ぎするほどでない。にもかかわらず、県や市町村が雇用対策に熱心なのは、ウソかホントか分からない「100年に1回の大不況」とやらのためで、目立つことをしないと首長の人気に響くと思ってのこと。

 村井嘉浩宮城県知事は1月9日、「失業者を2、3カ月雇っても、一時しのぎにしかならない。職員が足りないのであれば増やすが、無理して増やすのはナンセンス」と述べた。直接雇用の代わりに「民間企業の雇用創出を促すことが有効」として、失業した非正規労働者を正社員として採用した企業に対する奨励金の拡充策を打ち出している。正論だろう。

 また、就職に直結するパソコン操作の習熟、ホームヘルパー(3級・2級)の資格取得、専門学校への入学などを援助することも有効だ。

(奥平)

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