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政経東北速報解説版 毎月2回(1・15日)発行
続・事件屋 竹内陽一氏の仮面を剥ぐ
月刊政経東北
政経東北速報解説版
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後は野となれ(2009年 3月号)

 2008年10〜12月期のGDP(国内総生産)成長率が、実質前期比マイナス3・3%(年率換算マイナス12・7%)になったという。リーマン・シショック以来、マスコミが、トヨタ自動車やパナソニックなど一流企業が赤字に転落する見込みであることや、失業者が大量に出ていることなどを報じているから、いまさら驚かない。

 政界・財界は「100年に1度の不況。だから、大規模な雇用対策を講じなければならない」の大合唱だが、なぜか緊張感や切実さが伝わってこない。

 中学生レベルの漢字を何度も読み間違え、当時閣僚として郵政民営化に賛成したにもかかわらず、「本当は反対だった」と語る麻生首相。国会演説で原稿を26カ所も読み間違え、国際会議後の「泥酔会見」で引責辞任した中川財務相兼金融担当相。口先から生まれたような石破農林水産相。存在感が希薄な中曽根外務相。これほど頼りない内閣は前代未聞で、自民党の人材不足の深刻さが分かる。

 官僚を頂点とした公務員集団は、自分たちの利益を守るため、政治家の資質低下を歓迎している。それ端的に示したのが、渡り廃止など公務員制度改革で見せた谷人事院総裁の態度。彼らが「自民党はダメになったから、民主党を政権党に育てよう」などと嘯いているのが目に見えるようだ。

 毎日のように報じられる公的機関・公務員の不祥事は、使用者側の政治家(地方自治体の首長・議員を含む)がなめられ切っていることの証である。今日の危機の真因は、無能な政治家と無責任な公務員の犢膾遶瓩斑埜世任る。

 たとえば、公的な借金。国が738兆円(政府短期証券と政府保証債務を除く、20年12月現在)、地方自治体が約200兆円。福島県が1兆2133億円(20年度末)、県内市町村が8854億円(19年度末)。「世界的な大不況」のため、また借金して景気対策をやるという。10年後、大幅に増えているのは確実で、その責任を問おうにも当事者はほとんどいない。

 要するに、いまやらなければならないことを先送りし、もらえるものはしっかりいただく――というもの。まるで、ろくに仕事もしないで退職金と年金をせしめた社会保険庁の元職員のようだ。

 GDP成長率がマイナスになっても、5年前あるいは10年前に戻るだけで、すべてゼロになるわけではない。集団ヒステリーのように恐れるのは賢明でない。むしろ、不公平感が広がっている公務員の待遇を大幅に引き下げ、それで浮かした金を恵まれない人に回す方が景気回復につながる。

(奥平)

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