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政経東北速報解説版 毎月2回(1・15日)発行
続・事件屋 竹内陽一氏の仮面を剥ぐ
月刊政経東北
政経東北速報解説版
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老い(2009年 8月号)

 最近、もの忘れがひどい。話をしていて人の名前がすぐに出ない。運転免許証や携帯電話が見つからず、右往左往する。自分が書いた原稿の掲載月を思い出せなくて、「いつだっけ」とスタッフに尋ねることもしばしば。また、涙もろくなった。認めたくないが、これが老いなのだろう。

 若いときは暴飲暴食しても病気にならなかった。ところが、50代半ばを過ぎてから、かつての無理がたたったのか病院通いするようになった。当時、社会保険の被保険者は自己負担ゼロだったのに、現在は3割負担。理不尽な話だ。

 観光地のホテルに泊まると、食堂での食事後、決まってカシャカシャという音がする。一斉に薬を取り出すからで、そうでないのは少数派。「そういうことは部屋でやったら」と思ったものだが、自分がクシャクシャやっているから呆れる。

 平成19年の平均寿命は、男79年、女86年、20年前と比べ、男が約4年、女が約5年、延びている。これは「0歳の平均余命」だから、平均寿命から年齢を差し引くと余命が出るわけでないが、一つの目安にはなる。年金・医療・介護制度に「ほころび」が出るのも無理はない。

 たまに「砂時計(人生)の残りが少ない」と言う。その実感はないものの、時間が経つのが早いのは確かだ。スタッフに「最初から年寄りだった人はいない。みんな多感な青春時代を送っている。君らもいずれ老いるのだから、年寄りを特別視すべきでない」などと説教するが、おそらく自分が老いることを想像できまい。

 去る6月19日、男性長寿世界一(満113歳)の田鍋友時さん(宮崎県都城市)が亡くなった。子どもが8人、孫が25人、曾孫が53人、玄孫が7人。長寿の秘訣は「酒類を飲まないこと」。

 翌20日、112歳の誕生日(07年9月)に、女性アナウンサーから「何歳まで生きたいですか」と問われ、困ったような顔をして「(まだ)死にたくない」と答える様子を、民放テレビが放映した。たまたまそれを見て、「悟りを開いた」東西の宗教家より正直だと思った。

 いくつもの幸運が重ならなければ長寿は実現しない。普通の人は平均寿命も難しい。左党やメタボはなおさらだ。

 私が心がけているのは、身近な人に「ああしてくれ」「こうしてくれ」と求めないこと、嫌な人と付き合わないこと、自然に親しむこと。これだけでストレスが減る。

(奥平)

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