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政経東北速報解説版 毎月2回(1・15日)発行
続・事件屋 竹内陽一氏の仮面を剥ぐ
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中途半端な「地域主権」(2009年 10月号)

 地域主権とは「国の権限と財源の一部を地域に移譲し、自らの地域のことは自らの意思で決定し、その責任も自ら負うこと」とされる。こうした考え方は、これまで「地方分権」と総称してきたが、中央から地方に権限と財源を「分け与える」というニュアンスがあるため、「地域主権」という言葉が使われるようになった。

 衆院選に大勝した民主党のマニフェストにも「地域主権を確立し、第一歩として、地方の自主財源を大幅に増やす」として、「国と地方の二重行政を排し、地方にできることは地方に委ねる」「社会保障・義務教育関係を除き、国のひも付き補助金を廃止し、地方の自主財源に転換する」「国直轄事業に対する地方の負担金を廃止する」などの具体策を挙げている。

 「地域」とは、狭いコミュニティではなく、地方自治体を指しているのは明らかだ。

 地域主権(地方分権)の考え方は肯定するが、課題は多い。最も危惧されるのは、新たな自主財源が職員待遇維持、借金返済(地方債償還)、ムダな公共事業に使われ、住民にとって切実な事業が後回しにされることである。

 そう言うと、首長は「4年ごとに選挙があるし、議会の監視も厳しい」と反論する。だが、オンブズマンなどによる住民監査請求や行政訴訟がなくならないことでも、選挙や議会だけで税金のムダ遣いを根絶できないことが分かる。

 議会とは別に、住民で構成する行政委員会を組織し、税金の使い方を議論する方法もあるが、議会がさらに形骸化しかねないから、町内会長や各種団体代表が当選できるよう議員定数を大幅に増やし、当選のハードルを低くするのが現実的。その場合、議員報酬を大幅に引き下げる。

 障害となるのは地方自治法第91条の議員定数。上限は、/邑2000未満の町村12人、⊃邑2000以上5000未満の町村16人、人口5000以上1万未満の町村22人、た邑1万以上2万未満の町村26人、タ邑5万未満の市及び人口2万以上の町村30人、人口5万以上15万未満の市36人、Э邑15万以上20万未満の市40人、┸邑20万以上30万未満の市44人、人口30万以上の市48人(政令市を除く)。いわき・郡山・福島の3市は100人くらい議員がいてもよい。その分報酬は、賞与なしで月額20万円程度が妥当。

 議員定数を大幅に増やせないなら、一般会計・特別会計の予算案を公開し、有権者に賛否を投票してもらうことも考えられる。住民に権限が及ばない地域主権なら、現在と少しも変わらない。

(奥平)

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