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政経東北速報解説版 毎月2回(1・15日)発行
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菅野村長、順序が違うんじゃないの(2009年 11月号)

 飯舘村(菅野典雄村長)は今年4月、男性職員が有給の育児休暇を連続1カ月間取れる『パパ・クォータ制度』を導入し、この9月、34歳の職員が初めて利用した。

 村によると、同制度のねらいは「現行の育児休業制度下による村男性職員の育児休業取得者は皆無で、少子化が進む中、村にとって子育て支援は重要な課題であることから、男性職員の子育てのための特別休暇を新設し、子育ては両親で行うものとする風土をつくる」としている。

 運用については、ゞ般蛙觜埔紊了拆磴鬚覆すため子育て休暇計画書を事前に提出する、管理職は職員が同休暇を取得しやすい職場環境づくりに努める、F欝找房萋世録Πの義務と認識する、て欝找砲聾修(制度)とみなす――というもの。

 周知のように、男性公務員の育児休業は無給である(ただし、共済組合から育児休業給付金が支給される)。だから、有給の育児休暇制度を設けたわけだが、素直に喜べない。なぜなら、市町村職員の待遇は地域の所得水準を大幅に上回るだけでなく、労働の密度や環境なども民間と比べ格段に恵まれているからだ。

 平成18年4月に子育て休暇制度を導入した喜多方市は、1年間7日以内、子どもの看護や介助などに限っている。

 いずれも、有給休暇を大幅に増やすもので、その消化さえままならない民間にとっては高根の花。このままでは育児の官民格差が生じかねない。子育て休暇制度が悪いのではなく、導入の順序が違うと言いたいのだ。「官は先憂後楽」の理念にも反する。

 具体的には、住民が働く企業と市町村が協定を結んで子育て休暇取得を奨励し、市町村が企業に補助金を交付する。子育て休暇取得は「住民(全体)の義務」であるべきで、「職員(だけ)の義務」とするのはおかしい。また、子育て休暇を「研修」とするのもゴマカシだ。

 子育て休暇取得を職員に限るのは、おそらく金がかからないから。「金をかけず話題づくりができる」というわけ。しかし、職員に実質的に補助金を交付したのと同じで、金がかかっていないということではない。長期間休んで支障がないなら、職員を減らせという議論もある。

 そもそも飯舘村は人口の割に職員が多い。喜多方市は合併で多数の余剰職員をかかえている。これ以上の職員厚遇は不要で、やるなら何でも住民の方が先であるべきだ。

(奥平)

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