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政経東北速報解説版 毎月2回(1・15日)発行
続・事件屋 竹内陽一氏の仮面を剥ぐ
月刊政経東北
政経東北速報解説版
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スケールが小さすぎる雇用対策(2009年 12月号)

 労働力調査は、15歳以上の人を「就業者」「完全失業者」「非労働力人口」の3つに区分している。完全失業者とは、…敢佐間中に全く仕事をしなかった、∋纏があればすぐに就くことができる、ハローワークに求職登録したり、新聞や折込の求人広告に応募したり、求職活動をしている――の3条件を満たす人。例えば、仕事をしたいと思いながら、仕事が見つかりそうもないから求職活動をしないという人や引きこもりは非労働力人口に分類される。

 総務省によると、平成21年7月〜9月平均の完全失業率は5・4%、完全失業者は357万人。政府の緊急雇用対策本部(本部長・鳩山由紀夫首相)は10月23日、「21年度末までに10万人程度の雇用を確保する」という緊急雇用対策(事業費未定)を公表した。これには新卒予定者対策などが含まれるから、現在失業中の人が職に就けるのはほんのわずか。そもそも357万人プラスα(50万人を超えるかもしれない)もの失業者がいるのに、「10万人程度」というのは理解に苦しむ。ひと桁違うのではないか。

 国民に仕事を与えるのは、国・地方自治体の義務である。周知のように、働けるのに働けないのは社会的損失で、雇用が確保されれば税収や消費の面で大きな効果が期待できる。

 本来なら、地方経済を下支えしてきた公共事業を大幅削減する前に新しい産業の育成に努めなければならなかったのに、そうしなかった。揚げ句、公的機関に臨時職員として短期間就労させるおためごかし雇用や企業に補助金を給付してこと足れりとしてきた。

 県内のハローワークに求職登録しているのは約5万人、その他の求職者が数万人いるものとみられる。県・市町村の対応は、国の「ふるさと雇用再生特別交付金」「緊急雇用創出事業」を活用したものばかり。もっと問題なのは、雇用対策の基本となる管内の正確な失業者数を把握していないことである。労働局にデータがないなら独自に調査すればよいのに、やろうとしない。

 先日、仮住まいしている施設のイベントがあり、来賓として出席した町長が「財政難のため住民のみなさんに迷惑をかけている」と挨拶したから、「職員の人件費を削ればいいんじゃないですか」と言った。町長は自信ありげに「職員には常々『給料に見合う仕事をしろ』とハッパをかけている」と反論したから、「職員が2倍働いても、町民の収入は5%もアップしませんよ」とくさした。彼のように、職員にとって都合のよい首長が多いから困る。

(奥平)

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