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政経東北速報解説版 毎月2回(1・15日)発行
続・事件屋 竹内陽一氏の仮面を剥ぐ
月刊政経東北
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期待外れの「東大卒」市長(2010年 3月号)

 伊達・喜多方の両市長選が1月24日に投開票され、現職の仁志田昇司氏(65)は辛勝したものの、白井英男氏(67)は惨敗した。明暗を分けた2人だが、驚くほど経歴が似ている。

 仁志田氏は東京学芸大学附属高校、東京大学工学部を経て国鉄官僚となり、退職後、JR東日本レンタリースに天下りし、旧保原町長を2期務め、合併時に無投票で伊達市長となった。

 白井氏は喜多方高校、東京大学経済学部を経て農林官僚となり、退官後、地方競馬全国協会に天下りし、旧喜多方市長を2期務め、合併時に無投票で喜多方市長となった。

 両氏とも選挙基盤は盤石なはずなのに、そうではなかった。なぜか。

 1つは、合併に協力し、対立を避けるため候補者を擁立しなかった周辺自治体の首長・議員・住民が、初代市長に「期待外れ」の印象を持ったことである。おそらく、吸収された自治体(地域)に配慮すると思っていたのに、母都市(保原・喜多方)重視の地域づくりを進めたことへの反発だ。

 278票及ばなかった冨田健一郎氏(前伊達町長)、圧勝した山口信也氏(前熱塩加納村長)はともに69歳だから、現職の対応に強い不満がなかったら立候補しなかったはずで、いわば「最後のご奉公」。

 2つは、合併後の将来展望や施策(予算)について「議会でのやり取りで十分」として、住民に直接理解を求めなかったこと。できることなら、合併に協力してくれた首長・議長らを市役所に年に数回程度招き、現状を報告したり要望を聞いたりして感謝の意を伝えるべきなのに、ほとんど無視した。

 3つは、わがままで威張り屋なこと。最初は目立たなかったが、だんだん地が出て職員や住民に嫌われた。

 飯野陽一郎氏が喜多方市市長だったとき、助役に出向した県幹部が「稟議書をまともに書けない職員が多い」と嘆いたのを思い出す。元助役は法政大卒だが、東大卒の元官僚にとってはそれ以上に、職員や住民がバカに見えるに違いない。

 それでも、「なるほど」と住民を唸らせるほど実績を挙げれば批判をかわせたはず。そもそも「東大卒の元官僚」に期待したのが安易だったとも言える。反対に、基本的な知識がないのに、やたら選挙に強い首長も困った存在だ。

 まもなく自治体の22年度予算が発表される。税金の使途を議論するのは大事だが、同時に、すでに使われた予算の効果を検証するのも大事だ。

(奥平)

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