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政経東北速報解説版 毎月2回(1・15日)発行
続・事件屋 竹内陽一氏の仮面を剥ぐ
月刊政経東北
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嫌いな言葉(2010年 11月号)

 粛軍演説で知られる斎藤隆夫の衆院本会議議事録を読んでいたら「政府は行政改革を進めるとしてきたが、どうなったのかさっぱり分からない」と演説している。つまり、70年以上も前から「行政改革」という言葉が使われ続けていることになる。身近な辞書によると、改革とは「古い制度や機構を新しい時代に適応するものに改めること」とある。似た言葉に刷新があるが、「人事を刷新する」という具合に使われることが多い。

 改革という言葉が嫌いなのは、結果的に改善なのか改悪なのか分からないだけでなく、具体的でないからだ。行政改革にせよ郵政改革にせよ、制度や組織を効率的なものに改めるのは是としても、それにともなって職員数・人件費がどうなるのか明確でない。

 悪例がある。食管法が廃止され食糧事務所がなくなったが、職員約1万人は農政事務所にそっくり異動した。せっかく組織を廃しながら、一方でムダのかたまりをつくる。公務員をクビにできないなら組織の改廃は意味がないし、待遇を引き下げるのがせいぜいだ。その引き下げ率も0・ン%〜ン%で、話にならない。これについて言えば、制度をいじる前に、民間の調査対象をフルタイムで働く全労働者に拡大すべき――というのが本誌の主張である。それをしたくないから、行政改革や公務員制度改革を主張しているのではないかと思えるほど。

 地域の経済やコミュニティを元気にするという意味で使われている活性化も嫌いだ。住民所得のアップを目指すのか、にぎわいをつくるのか、明確でないからだ。一時的に実現しても、地方自治体の予算がなくなれば元の状態に戻るケースが多い。役人の浅知恵で、住民の所得向上や地域のにぎわいが図れるほど世の中は甘くないのだ。そういうことより、低所得の住民に買い物券を配れと言いたい。

 安全・安心という言葉も嫌いだ。抽象的すぎて、何を意味するか分からないからだ。例えば、公共施設耐震化、堤防補強、交通事故減少、危険個所解消、医療過疎解消、無農薬・減農薬農産物供給――などに努めたいなら、そう言えばよい。経産省から原子力安全・保安院の分離を国に求めることで原発の安全・安心をアピールするのは悪い冗談だ。

 民主党代表選の際、菅直人氏も小沢一郎も「命をかける」と演説した。最高顧問に就任した渡部恒三氏も就任の際にそう言った。テロの可能性がゼロでないにせよ、戦場に行くわけではないのに大げさだ。要するに「一生懸命やります」程度のことを、「命をかける」と言っているにすぎない。

(奥平)

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