ホーム
バックナンバー
ウェブ連載「巻頭言」
ウェブアーカイブ New
政経東北速報解説版 毎月2回(1・15日)発行
続・事件屋 竹内陽一氏の仮面を剥ぐ
月刊政経東北
政経東北速報解説版
ご挨拶/会社概要
株式会社東邦出版
福島県福島市南矢野目鼓原1-2
TEL:024-554-6101(代表)
FAX:024-554-6103
Email:info@seikeitohoku.com

高齢者はすみやかに引退すべきだ(2010年 12月号)

 来春卒業予定の就職内定率は、全国の大学生が58%(9月末)、県内の高校生が県立55%、私立30%(いずれも10月末)という。県北地方のある高校生は進路指導の先生から「清掃の仕事しかない」と言われたという。清掃の仕事をけなすわけではないが、若者にとって希望の持てると職種とは言い難い。

 新卒は失業保険などセーフティネットの枠外で、最初から仕事がないのでは先が思いやられる。おそらく結婚もできないだろう。この間に仕事を失った人々などを含め、国民に仕事を与えられない政府の無策に怒りが込み上げてくる。

 一方、被雇用者を年金受給まで雇用することを事業主に義務付けた高齢者雇用安定法を盾に、公務員の再任用の動きが進んでいる。「卓越した」教員に限り、70歳まで在職できる国立大学もあるほど。言うまでもないが、公務員は民間がうらやむような退職金を手にする。そのうえ給料をもらい、さらに一部の人は年金も受給できる。若者が就職難にあえいでいるとき、信じられないほどの厚遇である。ついでに指摘するが、日本の公務員の待遇は先進国中、初任給が中級、30〜40代が上級、50代が最上級。これを民間並みに是正し、必要なところにカネを回せというのが本誌二十数年来の主張である。

 民間の対応はまちまちだが、定年延長ではなく、若者を積極的に雇用すべきだ。同様に、地方自治体の首長・議員・各種委員なども年金受給年齢(65歳)になったら引退し、次世代に譲る。「やり残した仕事がまだある」などと言ったら、死ぬまで続けることになりかねない。

 齊藤誠・一橋大学教授は、1997年から2002年の5年間に、年1%前後のデフレ状態で失業率が3%台から5%台に急上昇したことを踏まえ、「ほとんどの人の賃金をそのままにしておいて(その結果、彼らはデフレで実質賃金がかえってアップした!)、一部の人の解雇で労働コストを削減しようとしたから、失業率が2%も跳ね上がった。あの程度の実質労働コストの縮減なら、すべての賃金を一律に年1%強程度引き下げれば、だれひとり解雇する必要はなかった」(『競争の作法』から引用)。

 リーマン・ショック後も、同じことが言える。要するに、高給取りの給料を少しカットすれば、派遣切りを大幅に減らせたということである。

 中小零細企業経営者には、従業員が希望を持てる待遇や職場環境かどうか、赤字にもかかわらず一族(会長・社長・専務など)で多額の人件費を占めていないかどうか――苦言を呈したい。

(奥平)

巻頭言一覧に戻る