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政経東北速報解説版 毎月2回(1・15日)発行
続・事件屋 竹内陽一氏の仮面を剥ぐ
月刊政経東北
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デフレ脱却が最優先課題(2011年 1月号)

 日本の政治が混迷している。その原因は、政治の中枢にいる人が経済や行政の素人であることに尽きる。もっと始末が悪いのは「選挙に勝ったらプロ」と錯覚することで、何回当選しても能力のない人は素人のままである。それは国も地方も変わらない。

 民主党は衆院選の際、政権構想5原則のトップに「官僚丸投げの政治から、政権党が責任を持つ政治家主導の政治へ」を掲げた。政治家に官僚並みの知識と能力があるなら、そういうことも可能だが、実際には大きなギャップがある。官僚はその道一筋ン十年だから当然だろう。政治家が官僚と対等に渡り合うには、的確な質問力、省益を超える判断力、周囲への説得力などが必要で、最初からケンカ腰では話にならない。菅首相は「脱官僚は本意ではなく、上手に使いこなすべき」と軌道修正したが、へそを曲げた官僚が民主党政権に擦り寄るとは思えない。

 自民党が元気な時代は、部会や委員会で専門知識を吸収しながら当選回数を重ね、発言力を増していった。もちろん、関係業界との癒着はあったが、大半は許容範囲だった。ところが、うるさ型の重鎮が引退すると、当選回数が多いだけの政治家がのさばるようになり、党組織が活力を失って官僚頼みの政治となった。

 官僚・官庁が重要なのは、日本がかかえている諸課題を熟知しているだけでなく、解決の処方箋まで持っているからだ。天下りに反対なら定年まで在職できるようにしたうえで、利権に直結しない転職・再就職を自由にすればよい。

 民主党政権に欠けているのは「全体の整合性を踏まえ、任期中に何を実現するか」が明らかでないことだ。しかも、1内閣で達成できる課題は限られているのに、公務員制度、年金制度、地域主権などの改革を目指し、収拾がつかなくなっている。手直しを繰り返すと方向を誤りかねないから、現制度のまま、公務員の人件費をカットし、デフレに応じて年金をカットし、地方交付税の配分を公平化するなどやれることをやり、それから制度改革を進める。

 「国の総予算207兆円を組み替え、税金のムダ遣いをなくし、マニフェストを実現する」というのも空論だった。菅首相は消費税を上げて財源を確保しようとしたが、デフレが加速するとは考えなかったようだ。一方、内需がダメなら外需ということで輸出を増やせば円高が進む。

 いずれ別稿で触れるが、景気、雇用、税収、年金、財政再建などは個別に対策を講じても効果が小さい。すべての元凶はデフレで、それを克服するため全力を挙げるべきだ。

(奥平)

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