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政経東北速報解説版 毎月2回(1・15日)発行
続・事件屋 竹内陽一氏の仮面を剥ぐ
月刊政経東北
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放射能を早く止めてくれ!(2011年 5月号)

 4月中旬、旧知の記者に会うため上京した。都合よいことに東京電力本社に詰めていた。近くの喫茶店で、東電福島第一原発事故の現状を尋ねた。

 意外にも「原子炉が曲がりなりに冷却され、放射性物質の放出量が減っているから、それほど心配しなくていいのではないか」という。ベテラン記者の楽観的な見通しに唖然とした。

 原子炉が冷却されているといっても、注水しているポンプは消火用。4月11日の余震(M7、最大震度6弱)による停電で1〜3号機への注水が一時中断した。もっと大きな地震・津波がきたら電源を回復できず、炉心溶融―水蒸気爆発もあり得る。そうなったら他の5基、さらに第二原発の4基も手がつけられなくなる。もちろん、そうならないことを願うが、あり得ないとする根拠は何もない。

 東京電力は4月17日、事故収束の工程表を示し、「放射性物質の流出を減少させるのに3カ月、流出を止めるため建屋全体を覆うのに3〜6カ月かかる」との見通しを明らかにした。だが、冷却システムが完全に復旧する見通しが立っていないから、希望的な見通しに過ぎない。下手すると、来年の春も現在と変わらない状態が続くこともあり得る。

 放射性物質の流出が続けば、土壌―農作物、地下水(中通りや関東圏も危ない)、海水―魚介類の汚染が一段と進む。マスコミに登場する専門家は一様に「人体への影響は少ない」と解説するが、しょせん、安全圏に住む人のたわごとに過ぎない。

 例えば、福島市の環境放射能測定値(4月14日午前1時)は2・0マイクロシーベルト(μSV)毎時。年間被曝量は2・0×24時間×365日=1万7520μSV(17・52寸咤屐法1年にさらされてよい人工放射線量は1寸咤屬世ら約18倍になる。飯舘村は5μSV前後だから、福島市の2・5倍。

 こう指摘すると「昼も夜も外にいる人はいない」などという。夏は暑いから窓を開けるし、クーラーを使っても同じこと。降雨によって数値は下がるだろうが、土壌と河川の数値が上がる。流出が止まらなければ、地域の復興も未来もない。

 汚染された土地に住むわれわれにとっては、被曝被害がなければよいわけで、「放射線の知識がない」などといわれようと決して過剰反応ではない。むしろ、軽く見過ぎる傾向がある。

 国・東電には避難者への補償、県・市町村には60膳内の妊婦と子どもの疎開、数値の高い地域の避難、児童・生徒の屋外活動の自粛と学校給食に水道や地元農産物を使わないことを求めたい。

(奥平)

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