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政経東北速報解説版 毎月2回(1・15日)発行
続・事件屋 竹内陽一氏の仮面を剥ぐ
月刊政経東北
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避難手当を支給せよ(2011年 6月号)

 大震災後、民放テレビは芸能人やスポーツ選手を起用し、「日本は強い国」「日本はすばらしい国」「日本の力を信じている」「あなたはどんなときも一人じゃない」など、ACジャパン(旧公共広告機構)のCMを大量に流した。当初は「被災者を励ましているのだろう」と思ったが、いまは違う。このCMはテレビ局とスポンサーの事情で放映したに過ぎないし、日本は「強い国」「すばらしい国」ではないし、「国民にやさしい国」でもないからだ。要するに、目くらまし。

 マスコミ(NHKを含むテレビと新聞)は津波や被災者の様子を繰り返し報道しながら、その先のことには言及しない。また、原発事故については「不安を煽らない」として、政府・東電の言い分を垂れ流し続けている。戦時中の報道と同様、後世、厳しく評価されるだろう。

 大震災・原発事故から3カ月、地震・津波の被災地は瓦礫の撤去が進むなど復興の兆しが見られるものの、原発事故の被災地は無人地帯となり、多数の被災者が全国各地に避難を余儀なくされている。

 いま、何が求められているのか。

 1つは、地震・津波・原発事故によって仕事を失った被災者に避難手当を支給すること。もう1つは、子どもたちの健康を守るため疎開させ、学校や住居周辺の放射能を取り除くこと(これは別稿で詳しく取り上げる)。

 いずれも膨大な費用と手間がかかる。国の対応は、前者については頬被りし、後者については規制値を緩めて何もしない――というもの。この時代に、このような政府が存在し続けるのは信じられない。

 収入がなくなったら生活に困るだけでなく、住宅ローンなどを返せなくなる。したがって、住宅再建を援助するより避難手当を支給する方が現実的で、さらに事業所や個人の債務を10年程度凍結する。これが復興の基本であるべきだ。

 各地で仮設住宅の建設が進められているが、それで一段落というわけではない。避難所は無料だが、仮設住宅に移ると生活費が要るからだ。収入のない世帯は生活に窮し、避難所より悲惨な事態になりかねない。被災者は避難手当を受け取ることで選択肢が広がり、生活再建が容易になる。仮設住宅の戸数は計画より少なくて済むはず。

 これまで発展途上国に毎年1兆円前後を援助し、湾岸戦争の戦費1兆3000億円を多国籍軍に提供した。バブル崩壊後、公共事業に数百兆円を投じ、公務員厚遇を続けながら、大震災の被災者に年数千億円の避難手当を支給できないはずがない。

(奥平)

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