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政経東北速報解説版 毎月2回(1・15日)発行
続・事件屋 竹内陽一氏の仮面を剥ぐ
月刊政経東北
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県産農産物の検査結果を表示せよ(2011年 9月号)

 福島県は農作物の本格的な収穫期を前に、原発事故による風評被害払拭に向けた対策を強化する。その一環として、8月17日、東京の都道府県会館で「ふくしま 新発売。」プロジェクトの発足発表会を行った。

 サポーターとして参加する女優の三田佳子さん、分とく山総料理長の野崎洋光さん、スポーツジャーナリストの増田明美さん、みちのくボンガーズの神道裕さんと水野圭悟さんが抱負を述べ、登山家の田部井淳子さん、女優の白羽ゆりさんなどによるビデオメッセージが公開された。

 そもそも「風評被害」という言葉が気に入らない。現にシイタケとチチタケから暫定基準値(500ベクレル)に近い放射性セシウム、モモから100ベクレルを超える放射性セシウムが検出されているからだ(8月19日)。不検出でも、分析機器の精度の問題があるからゼロではない。したがって、県産農産物(会津産を除く)は多かれ少なかれ、汚染されている。それを「暫定基準値内だから安全です」と言って販売促進に努めてよいものか。

 周知のように、専門家による低線量被曝の安全論争が続いているが、結論は数十年後になるだろう。だが、「細胞数の少ない胎児や乳幼児は放射性物質の影響を受けやすいから低線量でも避けるべきだ」という認識では一致している。

 三田さんや田部井さんは高齢だから、県産農産物を食べるかもしれないが、孫には食べさせないだろう。佐藤知事や県職員の家庭も、おそらく同じだ。ここに、風評被害払拭対策の問題点がある。

 8月22日の夕方、ヨークベニマル梁川店に寄ったら、大きなモモ5個が50円に値引きされていた。1個10円! 生産農家が知り合いなどにタダで配っているという話も聞いた。

 売れないのも、価格が下がったのも、すべて原発被害によるものだ。作ったものを少しでも現金にしたいという気持ちは分かるが、すべて国・東電に補償してもらうのがスジである。いつ補償してもらえるか分からないので出荷しているのだから、それまで県が立て替えればよい。

 県が県産農産物の販売促進に努め、それを子どもたちが食べて健康を害したら、加害責任が発生する。廃棄するのがもったいないなら、暫定基準値内でも農産物ごとに検査結果の数値を表示し、店頭に並べる。それを「ふくしま(日本)ルール」にすべきだ。高齢者が食べても寿命への影響は少ないから、高齢者用として販売するのはかまわない。もちろん、価格が下がった分は補償してもらう。

(奥平)

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