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政経東北速報解説版 毎月2回(1・15日)発行
続・事件屋 竹内陽一氏の仮面を剥ぐ
月刊政経東北
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汚染土を国・東電に返そう(2011年 11月号)

 県内各地で除染作業が進められている。いいことには違いないが、強い違和感を覚える。除染の主体が加害者の国・東電ではなく、被害者の地方自治体・住民であるからだ。

 除染は郡山市内の小中学校の校庭から始まった。原正夫市長が決断したもので、それが県内各地に広がり、国が追認した。原市長の決断と広がりがなかったら除染が遅れただけでなく、除染基準が「年1瀬掘璽戰襯醗幣紂廚砲覆辰燭どうかも疑わしい。

 除染対象は通学路、公園、公共施設、さらに個人住宅に及んでいる。福島市は10月18日、モデルケースとして、放射線量が比較的高い大波地区の住宅の除染を行った。詳細なコストは明らかになっていないが、50万円程度(廃棄物処理費などを含まない)とみられている。

 福島市は11万戸について除染するとしている。単純に掛け算すると550億円。同市放射線総合対策課によると「予算が限られているから、すべて大波地区で行ったような除染はできない。それぞれ効果的な手法を採用するほか、住民やボランティアの協力が欠かせない」という。

 平地の中央部は1回除染すればよいが、大波地区や渡利地区など山林と接している地域は、風や雨水によって不断に流れてくるから、長期にわたる除染が必要となる。

 厄介なのは葉の更新が遅い常緑樹。皆伐は山が荒れるからできないし、結局、時間をかけて徐伐するほかない。その費用は県内だけで数百兆円に達するだろう。これは決してオーバーな金額ではない。

 政府は除染対策費として来年度までに約1兆円を見込んでいるが、一桁も二桁も少ない。これでは緊急な除染すら難しい。要するに、その程度の認識しかないということだ。汚染の責任は国・東電にあるのだから、いくらかかろうと徹底的に除染しなければならない。これは被災者のわがままではないし、財政難を理由に手抜きすることも許されない。

 事故炉の冷温停止のメドがついたことから、永田町と霞が関の関心は、大震災・原発事故から年金制度改革やTPP(環太平洋パートナーシップ協定)などに移りつつある。補償も除染も震災復興も不十分な中、抗議の意味を込めて、汚染土を国と東電に返す運動を進めたい。返送先は次の通り。

 環境省=東京都千代田区霞が関1の2の2

 東京電力=東京都千代田区内幸町1の1の3

 ある程度の量になれば、もやもやしたわれわれの気持ちが伝わるだろう。

(奥平)

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