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政経東北速報解説版 毎月2回(1・15日)発行
続・事件屋 竹内陽一氏の仮面を剥ぐ
月刊政経東北
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存在意義が問われる県議会(2011年 12月号)

 11月20日に投開票された県議選の投票率は、過去最低の47・51%だった。有権者の半数以上が棄権したことになる。同日投開票された大熊町長選及び8市町村議選の投票率は68〜88%だから際立っている。

 理由はいろいろ考えられる。仝政が身近でない、意中の候補がいない、就職活動のような選挙に嫌気――など。さらに、大震災・原発事故後、県議及び県議会が存在感を示さなかったことへの強い怒りがあるように思われる。要するに、役に立たないのだからどうでもよい、と。

 たしかに、県政を30年以上ウオッチングしているが、県議の提案によって県民が恩恵を受けたことはなく、県議会が執行部の方針を覆したケースも記憶にない。それは、県議会をステップに国政へ転身した人々の時代も含まれる。

 執行部と議会は車の両輪にたとえられるが、実際は権限や力量に大きな違いがある。執行部側は多数の職員を擁し、一方、議会側は圧倒的に少ない。しかも行政は多岐にわたるから、すべての分野に精通するのは勉強家でも難しい。おそらく、予算の仕組みを熟知している県議は何人もいまい。知事だってかなり怪しい。

 とは言え、大局的に正しい方向に進んでいればよいわけで、役人のように細かいことまで知っていなければならないというわけではない。

 県政が身近でないのは、重要な問題についての認識と対策を、知事や県議が自分の意見を県民に直接伝えないからである。それをやると「レベル」が知られる恐れがあるし、結果責任を問われかねないから、結局、多数の県民の目に触れない議会で無難なやり取りに終始する。民主主義の形を装っているものの、実際はムダの塊と言ってよい。

 そもそも社会が複雑・多様化しているのに、首長にせよ議員にせよ、1人の人間に白紙委任するシステムが時代遅れになっている。ところが、どの自治体も、施策の優先順位や職員厚遇の是非などを問う調査をやらない。それで「住民参加(本位)の行政」を標榜するのだからがっかりする。

 知事(執行部)と県議(県議会)が、このたびの大震災・原発事故を本当に「未曽有の危機」と思うなら、平時の発想を封印し、復興と除染を大胆に進め、補償、避難、集団移転などについても積極的にかかわるべきだ。その財源は国に頼るだけでなく、特別職・一般職員・県議の人件費を大幅にカットするなどして捻出する。それができないなら、知事と県議は職にとどまるべきでない。

(奥平)

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