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政経東北速報解説版 毎月2回(1・15日)発行
続・事件屋 竹内陽一氏の仮面を剥ぐ
月刊政経東北
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原発をやめる好機だ(2012年 3月号)

 2月20日、関西電力高浜原発3号機(87万kW)が定期検査に入った。稼動しているのは東京電力柏崎刈羽原発6号機(約136万kW)と北海道電力泊原発3号機(約91万kW)のみで、6号機は3月下旬、3号機は4月下旬、それぞれ定期検査に入る。

 政府は再稼働を目指しているが、地元の同意が得られる見込みはなく、廃炉となる東京電力福島第一原発1〜4号機、政府の要請によって運転再開を見送った中部電力浜岡原発3〜5号機を含め、全54基運転停止―原発ゼロが現実味を帯びてきた。

 地元が運転再開に慎重なのは、安全が保障されないからである。大震災・原発事故から1年経つのに、電源喪失はともかく、揺れと津波による影響が正確に把握できないのだから当然のこと。厳しい規制値を設けても、それを超えない保証はない。自然の脅威は、たびたび人知を超えるからだ。それを承知で、新たな規制値を超える揺れと津波がやってきたら、再び「想定外」と言い訳するのだろうか。

 原発事故によって、一次産品の輸出が難しくなり、海外からの観光客も見込めなくなった。もし、西日本で深刻な原発事故が起きたら、日本は実質的に壊滅状態となる。それを避けるには、原発をやめるほかない。全54基運転停止―原発ゼロのいまこそ、やめる好機だ。原発をやめても、使用済み核燃料などを数十万年にわたって管理しなければならない。

 「1回の事故で原発を放棄するのは愚か」「この夏の電力不足をどうする」「産業が衰退する」という声が聞こえそうだ。心配することはない。真冬の2月上旬でさえ、原発3基の発電量は約314万kWに過ぎなかった。みんなで努力すれば夏も乗り切れる。経済や生活に多少支障が出ても、地震のたびに原発事故を心配しなくて済むだけで強いストレスから解放される。日本は地震多発地帯なのだ。

 電力不足は政府と電力会社の不作為の結果でもある。中越沖地震によって東京電力柏崎刈羽原発2〜4号機、大震災によって同福島第一原発1〜6号機、同福島第二原発1〜4号機、東北電力女川原発1〜3号機が運転を停止し、それが長期にわたることは予想できた。一方、他の原発の再稼働が難しいことも知っていたにもかかわらず、政府と電力会社は火力発電所の増設を進めなかった。緊急避難的に環境アセスメントなど手続きを簡略化したら、いまごろ発電にこぎつけていたはずである。

 燃料費アップは問題にならない。電力会社が利益と社員待遇を引き下げ、不足分を国民に負担してもらえばいいだけの話だから。

(奥平)

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