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政経東北速報解説版 毎月2回(1・15日)発行
続・事件屋 竹内陽一氏の仮面を剥ぐ
月刊政経東北
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消費税増税の意味(2012年 4月号)

 民主党のマニフェストは常識的なものだった。それを実現するには官僚の協力が不可欠だったが、不作為とサボタージュに遭って頓挫した。「脱官僚宣言」によってへそを曲げたのである。野田内閣は彼らの言いなりになることで、政権を維持しようとしているように見える。

 自民党が曲がりなりに機能していたときは、大臣候補になるまで十数年、党の部会や衆参の委員会で勉強し、国会答弁に耐えられる程度の知識を習得した。一部に業界との癒着はあったものの、官僚と族議員の関係は円滑だった。ところが、民主党は国家観や大局観のない人を総理大臣に選び、適材と言えない人を大臣に任命し、上から指示して官僚組織を動かそうとして失敗した。なぜか。

 話は明治にさかのぼる。国会開設にあたり、政府は民権派が台頭して統治システムを変えられることを恐れ、政治家に官僚の任免権を与えなかったのだ。それが今日まで続いている。戦後、天皇という忠誠の対象がなくなったため、官僚の自由度が増したのである。自民党のやり方は、それなりに賢明だったと言える。

 周知のように、アメリカは政権が変わるたびに省庁の中枢が数千人規模で入れ替わる。それは同時に、大量の失業を伴うから大規模な官民癒着を招く。日本の場合、大臣には実務を担当している局長・課長クラスを抜擢する権限が必要だ。これなら、事務次官・審議官も政権に協力せざるを得なくなる。

 官僚は同じ仕事を数十年やっているのだから、精通して当然のこと。彼らが大臣に必要な知識や情報を伝えないと、たちまち国会が紛糾する。一方、野党は自党の宣伝と政府・与党にダメージを与えることに熱心で、国の行方や国民の生活に無関心だ。戦前の斎藤隆夫代議士のような演説は期待できないから、ほとんどの国民は国会でのやり取りを聞く気にならない。

 政府・与党も行財政改革が十分とは思っていまい。また、積み上げ方式による予算編成の限界も承知しているはずである。にもかかわらず、現在の制度でも可能な改革を怠り、財務省の猗甦雖瓩任△訃暖饑覗税に突っ走るのは「これしか道がない」と思い込んでいるからだ。これは、国民から選ばれた政治家が官僚に敗北したことを意味する。

 消費税増税とは「企業や国民から新たに税金を徴収し、官僚や天下りなど税金で飯を食う人々の待遇をこれまで通り維持すること」である。次に財政再建のための増税が待っている。

(奥平)

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