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政経東北速報解説版 毎月2回(1・15日)発行
続・事件屋 竹内陽一氏の仮面を剥ぐ
月刊政経東北
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求められる大人(たいじん)の風格(2012年 5月号)

 北朝鮮によるミサイル発射実験の前後、日本のマスコミはこれを大きく報道した。また、大金を投じて打ち上げた偵察衛星(数基)について触れたマスコミは1社もなかった。一方、政府は東シナ海にイージス艦、沖縄に迎撃ミサイルを配備し、ミサイル発射に備えた。いずれも、度量を欠いた小人(しょうじん)の対応と言わなければならない。

 日本のマスコミが、北朝鮮の国営放送のように、北朝鮮の指導者やミサイル発射の様子を繰り返し報道するのは問題だ。「国民の関心が高いから」というのは理由にならない。なぜなら、控えめな報道に徹していれば、国民の関心が高まるはずがないからだ。

 ミサイル発射が国連安保理決議に違反するとしても、発射場所、期間、落下海域を公表したのだから、政府は冷静に見守るべきだった。ところが、ミサイル部隊の動向を公開して危機をあおった。

 周知のように、いつどこから発射されるか分からないミサイルを撃ち落とすのは至難とされ、領土内に落下するミサイルの破片を撃ち落とすのはほぼ不可能と言ってよい。黙って演習するならともかく、「沖縄県民を守るため」というのはこじつけだ。

 そもそも中国が核実験やミサイル実験をしたとき、政府・マスコミは大騒ぎしなかった。こちらの方がはるかに脅威なのに、破綻国家の生き残り策として核とミサイルに固執する北朝鮮の動きに一喜一憂するのは馬鹿げている。

 北朝鮮の脅威を軽視するのではない。どの国であれ、日本が侵略されたら、アメリカ軍に頼らず、自衛隊を中心に総力を挙げて反撃する。この覚悟がないから、近隣国やアメリカに甘く見られる。

 小さなことを大げさにアナウンスするのが日本政府・マスコミの習性になっている。 例えば貿易収支の赤字。所得収支が大幅黒字だから、経常収支及び国際収支が赤字になる恐れがないにもかかわらず「大変だ」と大騒ぎする。財政赤字もそうだ。いずれ収支を改善しなければならないものの、「近い将来、ギリシャのようになる」と騒ぎ立てるのは既得権益派の「増税」アジテーションである。

 日本には二百数十兆円の海外純資産があり、すぐになくなるわけではない。5〜10年単位で見れば、アメリカ、中国、北朝鮮の方がはるかに容易でない。

 日本は経済力も防衛力も文化力も世界有数の実力を備えている。何も恐れることはないのだ。何事も大人(たいじん)の風格をもって対応し、貿易収支や財政など将来の布石を打たなければならないということである。

(奥平)

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