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政経東北速報解説版 毎月2回(1・15日)発行
続・事件屋 竹内陽一氏の仮面を剥ぐ
月刊政経東北
政経東北速報解説版
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戦略を欠いた福島県政36年(2012年 6月号)

 戦後の歴代知事(カッコ内は在任期間)は、石原幹市郎(1947年4月〜49年11月)、大竹作摩(50年1月〜57年7月)、佐藤善一郎(57年8月〜64年3月)、木村守江(64年5月〜76年8月)、松平勇雄(76年9月〜88年9月)、佐藤栄佐久(88年9月〜2006年9月)、佐藤雄平(06年11月〜)の7人。

 石原は食糧増産、大竹は只見川電源開発、佐藤善一郎は常磐・郡山地区新産業都市指定、木村は道路整備に努め、現在の礎をつくった。

 佐藤善一郎と木村は原発を誘致したが、あえて責任は問うまい。なぜなら、国・東電がこんなにデタラメとは思っていなかったはずだから。ただ、県・立地町などが受け取った原発マネーは約2700億円、今回の原発事故によって、その数百倍の損害を被ったことを指摘しておきたい。

 木村の不祥事を受け、浪人していた松平が棚ボタ式に知事となった。3期12年の実績は、文化3館(美術館・図書館・博物館)建設と福島医大・附属病院移転くらいしか思い浮かばない。在任中に東北新幹線、常磐自動車道、小名浜港などが整備されたが、福島県が東北の玄関口に位置しているのと、有力な県選出国会議員が競って国の予算を確保し、県当局は汗をかかずに済んだ。

 松平の後継となった佐藤栄佐久は、対立候補の出身官庁である建設省を嫌い、公共事業に消極的だった。福島空港建設、国体開催は前県政から引き継いだものだし、独自の未来博はさんざんだった。企業誘致や新産業づくりの実績も乏しい。

 原発事故後、国・東電を厳しく批判したが、もともと反原発派ではなく、一連のトラブル隠しに反発しただけで、知事をしていたら原発事故が避けられたわけではない。地方分権に熱心だったが、国と地方のあり方を変えたいというより、知事の権限強化を望んだに過ぎない。国・東電に逆らったから逮捕されたかどうかだが、そういう面が多少あるものの、独善的な性格が災いしたもので、いわば自業自得。しかも、政治活動を資金面で支えた弟の不祥事の責任から免れられるわけではない。

 佐藤雄平も棚ボタ知事。唯一評価できるのは、借金を増やさなかった07年度予算だけ。

 松平、栄佐久、雄平の3県政に共通しているのは、戦略的に地域の振興を図らなかったことである。そこへ大震災・原発事故が直撃した。たとえ財政が破綻しようと、県民が生活できる環境づくりに努めなければならないのに、何でも国任せ。県民にとって、この36年は知事に恵まれなかった。

(奥平)

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