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政経東北速報解説版 毎月2回(1・15日)発行
続・事件屋 竹内陽一氏の仮面を剥ぐ
月刊政経東北
政経東北速報解説版
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創刊40周年を迎えて(2012年 7月号)

 この7月号で創刊40周年を迎える。つたない言論にもかかわらず、長い間支えて下さった読者・広告主に深く感謝したい。

 印象に残る取材を挙げると、深刻な公害、木村県政汚職事件、官民格差の是正、小針暦二・竹内陽一・滝田三良3氏の告発など。

 いまでは信じられないが、小名浜に近付くと異臭がした。阿武隈川は「あぶく川」と呼ばれ、釣り人の姿はなかった。農地がカドミウムに汚染され、大騒ぎになったこともある。いずれも企業や公的機関が多額の資金を投じ、現在の福島県がある。

 行政の仕組みを教えてくれたのは県幹部OBで、県・市町村の取材で困ることはなかった。当時、「公務員厚遇」という言葉はなく、昭和50年代半ばから「公務員給与の引き下げ」を主張してきたが、いまだに実現していないのは忸怩たる思いがする。

 小針・竹内・滝田3氏の取材も忘れられない。小針氏の前科の1つは、宇都宮地検に通って分かった。竹内氏の前科の1つは、名古屋市立図書館の中日新聞で確認できた。滝田氏の資産形成過程は、不動産・商業登記簿の閲覧を繰り返して解明したが、推理小説の謎解きみたいで面白かった。

 そして、昨年3月の大震災・原発事故である。福島市内の放射線量が高いことから、一時休業を余儀なくされた。10日後、先行きが不透明な中、とにかくやれるところまでやろうと、仕事を再開した。

 以後、原発事故関連特集を続けているが、食傷気味なのは否めない。別のテーマがないかとも思う。しかし、県民のための雑誌である以上、原発事故関連報道から逃れるわけにはいかない。過去39年の報道が吹き飛ぶくらい、その衝撃は大きい。

 ただ、大マスコミとはスタンスが違う。例えば、全国紙は事故直後の動向を検証しているが、住民への補償、除染の効果、いまなお原子炉から放射性物質が大量に放出されていることなどには触れない。また、大震災復興に数十兆円、原発事故収束と補償に数十兆円以上かかることや、その原資についても触れない。売り物の説教じみた社説や名文のコラムなどもクソ食らえ、だ。

 おそらく、国は公害や薬害と同様にけじめを付けず、しびれを切らした住民が勝手に自立することを望んでいる。それが最も安上がりだからだ。県人口は徐々に減り、県内をマーケットとする企業は次第に先細りになる。本誌もその1つだ。それでも県内にとどまって取材を続け、国・東電の動きや県民の行く末を見届けたいと思う。

(奥平)

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