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政経東北速報解説版 毎月2回(1・15日)発行
続・事件屋 竹内陽一氏の仮面を剥ぐ
月刊政経東北
政経東北速報解説版
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水産業が壊滅する(2012年 12月号)

 宮城県は11月2日、石巻市鮫浦湾の定置網で捕獲されたクロダイの放射性セシウムが290ベクレル/銑弔世辰燭海箸ら、当分の間、金華山以北―唐桑半島以南の海域について、クロダイの出荷を自粛するよう生産者に要請した。

 鮫浦湾は牡鹿半島中部の東側にあり、太平洋に面している。金華山以南のクロダイは、国から6月28日付で出荷制限が指示されている。スズキも国から10月25日付で唐桑半島以南の出荷制限が指示されている。つまり、汚染海域が仙台湾から牡鹿半島を越え、南三陸に広がったことになる。

 太平洋岸の出荷制限(淡水魚を除く)は、青森県マダラ、岩手県マダラ、スズキ、宮城県マダラ、スズキ、クロダイ、ヒラメ、ヒガンフグ、福島県スズキ、クロダイ、アイナメなど40種、茨城県スズキ、ヒラメ、イシガレイ、シロメバル、ニベ、コモンカスベの6種。

 原発事故直後から、「放射性物質の流出を止めなければ、八戸沖から房総沖まで漁ができなくなる」と警鐘を鳴らしてきたが、現実のものとなっている。漁ができないなら、漁港を修復する意味がない。

 周知のように、東京電力福島第一原発の構内には、地下水を汲みあげる井戸(ピット)が約60本ある。その地下水が汚染され、処理に苦慮している。一方、地震によって地下の岩盤がひび割れを起こし、汚染水が海側と内陸側に浸透している。

 ピットへの地下水流入、岩盤への汚染水浸透を防ぐには、1〜4号機の地下にトンネルを掘削し、そこからコンクリートを打ち込んで固めるほかない。この工法を工学博士の江口工氏が政府関係者に説明したが、いまだに何ら対策が講じられていない。

 もうひとつ深刻なのは、川から海に放射性物質が大量に流れ込んでいることである。例えば、阿武隈川から太平洋に1日500億ベクレルの放射性物質が流れているという。事故原発に近い川からは、もっと高濃度の放射性物質が流れているはず。これらの対策も手付かず状態にある。専門家を動員すれば、対策は必ず見つかる。手をこまねいていたら取り返しがつかなくなる。誰も騒がないため放置している国・東電に強く抗議したい。

 原子力規制委員会に対しては、1〜4号機の安全性及び4号機の耐震補強を厳重にチェックすることを求めたい。汚染地域の除染や社会基盤復旧が進む中、再爆発や崩落の恐れがあっては安心して暮らせないし、すべてがムダになるからだ。

(奥平)

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