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政経東北速報解説版 毎月2回(1・15日)発行
続・事件屋 竹内陽一氏の仮面を剥ぐ
月刊政経東北
政経東北速報解説版
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割りを食った都路村と小高町(2013年 2月号)

 緊急時避難準備区域解除前の指定は次のようになっていた(特定避難勧奨地点は省略)。

 警戒区域―南相馬市南部、浪江町・葛尾村・田村市・川内村の東部、双葉町・大熊町・富岡町の全域、楢葉町北中部。

 緊急時避難準備区域―南相馬市・田村市の中東部、川内村・楢葉町の西南部、広野町全域。

 計画的避難区域―飯舘村全域、南相馬市・浪江町の西部、川俣町南東部(山木屋地区)、葛尾村中西部(警戒区域を除いた全域)。

 これが再編され、計画的避難区域だった飯舘村南部、南相馬市西部は帰還困難区域、飯舘村中北部、南相馬市西部(帰還困難区域の東側一帯)は居住制限区域となった。同時に、20膳内は帰還困難区域、警戒区域、居住制限区域、避難指示解除準備区域の4つになり、大熊町は、東部が帰還困難区域、西南部が居住制限区域、西部が避難指示解除準備区域に分かれた。

 住民の早期帰還を促すためというが、非現実的な対応だ。仮に住めたとしても、農業や畜産が再開できるわけではないし、買い物や通院なども容易でないからだ。これでは帰還する意味がないと言ってよい。国が早期帰還を促す理由はただ1つ、不動産買い取りなど損害賠償の対象を大幅に減らしたいからである。帰還困難区域の損害賠償の指針すら示されない中で、計画的避難区域や旧避難区域が不利益を被るのは許されない。

 周知のように、船引町・滝根町・大越町・常葉町・都路村が合併(17年3月)して田村市、原町市・鹿島町・小高町が合併(18年1月)して南相馬市となった。当初、警戒区域だった田村市東部は旧都路村、南相馬市南部は旧小高町とほぼ重なる。

 田村市の冨塚市長も南相馬市の桜井市長もよくやっていると思うが、避難区域外の住民を多数抱えているため、避難問題は市政の一部に過ぎない。したがって、都路村と小高町が独立した自治体だったら、

飯舘村や楢葉町のように住民が一体となって国・東電に注文を付けるなど、地域の将来について主体的に関与することができたかもしれない。そういう意味で、旧都路村と旧小高町が割りを食ったのは間違いない。

 インフラを整備しても元の生活には戻れない。放射能の問題もある。地域の将来をどうするか、それぞれどう生きるべきか、改めて問われている。自治体はなくなったが、旧住民はまとまって意見を集約し、国・東電に伝えるべきだ。

(奥平)

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