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政経東北速報解説版 毎月2回(1・15日)発行
続・事件屋 竹内陽一氏の仮面を剥ぐ
月刊政経東北
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まだまだ課題山積の中間貯蔵施設(2014年 2月号)

 昨年、中間貯蔵施設の現地調査に当たり、環境省が関係地区の住民を対象に説明会を実施した際、ある住民がこう発言した。

 「あなた方(国)がやっているのは順序が逆ではないか。まずは建設場所を決め、決まったらそれを地権者に伝え、そのうえで『これだけの金額で土地を買いたいのだがどうか』と用地買収額を提示するのが先ではないのか。それに対し、あとはわれわれが判を押すかどうか、それだけだ」

 この間、中間貯蔵施設に関する国の動きは、仝補地の選定、候補地の調査のための住民説明、8補地の現地調査、ぜけ入れ要請――といった順序をたどった。

 だが、先の住民はそんなまどろっこしいことをせず、場所を決めたら対象地権者に用地買収額がいくらかを提示し、それに地権者が納得するかどうか、それだけの問題だ、との見解を示したわけ。

 筆者も基本的には国がどのくらいの用地買収額を提示するか、それに地権者が納得するか、が最大のポイントであると考える。住民への説明は当然必要だが、「土地を売る=建設に賛成(反対はしない)」ということだから、用地買収額の提示が交渉のスタートラインである。いくらで買うかを提示されなければ、土地を売っても構わないか、建設のための調査を行ってもいいか、と聞かれても判断しようがない。

 この間の情報では、国は、公共事業の用地買収で対応したい考えでのようだが、1月中旬現在、具体的なことはまだ何も提示されていない。これは交渉のスタートラインにも立っていないことになる。

 一方で、これからは中間貯蔵施設の対象エリアにならなかった周辺地区への対応も考えなければならない。候補地のうち、大熊町、双葉町はほとんどが帰還困難区域、楢葉町は帰還が見込まれる避難指示解除準備区域であるため、それぞれ状況は違うが、いずれにしても、近くに中間貯蔵施設があることによって土地の価値は下がると見なければならない。つまりは、迷惑料のようなもの払う必要があることになる。

 こうした問題に国はどう対応するのか。いまのところ、国は迷惑料のようなものを払う考えはないとの情報が伝わっているが、先の理由からそれで済むはずがない。

 今後は地権者を納得させるだけの用地買収額が提示されるかに加え、対象エリア外の周辺地区の対応をどうするかも課題だ。そういう意味では、まだまだやるべきことは多い。

(末永)

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