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政経東北速報解説版 毎月2回(1・15日)発行
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選挙制度を改めよ(2015年 1月号)

 先月行われた衆院選で、自民党の大勝を予測できた人は解散前にどれくらいいただろう。

 普通なら「自民党を勝たせすぎるのはよくない」と揺り戻しが働くはずだが、そうならなかったのは、野党第一党の民主党に対する国民の不信感が相当根強い証拠である。得票率は前回の衆院選より伸びたかもしれないが、民主党に期待する向きがあれば戦後最低の投票率(52・66%)を記録することはなかったはずだ。かつての民主党政権が国民に与えた失望は、それくらい大きい。

 とはいえ、このまま自民党に政権を託し続けるのが良いのかというと、それも違う。現状は野党がだらしないため、有権者が消極的理由で自民党候補に票を投じているにすぎない。しかし、いまの小選挙区制のもとでは、その自民党候補にすら票を投じたくないという有権者も少なくない。

 いまの候補者は自由にものが言えない。自分が左と思っても、首相が右と言えばそれに従わざるを得ない。選挙において、首相は公認権という権限を持つ。候補者は公認が得られなければ党から支援が受けられず、事実上立候補できない。当時の小泉首相が郵政民営化に反対した議員を公認せず、刺客まで送った非情な姿は記憶に新しい。ああいうことをされたら候補者の政治生命は途端に絶たれてしまう。

 だから原発再稼働を例に取ると、候補者の本音は反対でも、安倍首相が推進と明言している以上、選挙戦で反対とは言えないのである。結果、候補者は曖昧な言い回しをするしかなくなり、有権者は物足りなく感じてしまう、と。同じことは、安全保障や憲法改正、沖縄基地問題等にも言える。

 振り返ると、かつての中選挙区制はよかった。同じ選挙区に同じ党の候補者が複数立候補できる中選挙区制は、自民党の場合、各候補者は派閥の力をバックに選挙戦に臨んだ。だから、候補者は自由にものが言えたし、政策によっては首相と異なる考えも表明できた。有権者も党より個人を重視し、選択肢はいまより断然多かった。そう考えると、小選挙区制のもとで自由にものが言えない候補者は、採決時にさえ居てくれればいい「駒」と同じである。

 離合集散を繰り返す野党には期待が持てない。小選挙区制のもとでは魅力的な候補者も現れにくい。これでは「票を投じる先がない」と投票率は下がるばかりだ。白票が年々増えているのは、それでも投票所に足を運ぶ有権者のせめてもの"抵抗"である。中選挙区制に戻すか、選挙制度を抜本的に改めないと、国民の政治離れは進む一方だ。

(佐藤)

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