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政経東北速報解説版 毎月2回(1・15日)発行
続・事件屋 竹内陽一氏の仮面を剥ぐ
月刊政経東北
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トップの情報発信のあり方(2015年 10月号)

 国民の厳しい批判をよそに安全保障関連法を成立させた安倍首相。その影響で落ち込んだ支持率を回復させようと、安倍首相は9月24日の会見で「アベノミクス第2ステージの新しい3本の矢」を披露した。これに限らず、安倍首相は重要な出来事があると会見を開き、一見すると積極的に情報発信しているように映るが、実態はどうか。

 9月15日付の朝日新聞「メディアタイムズ」によると、安倍首相の出演するテレビ局には偏りがあるという。すなわち昨年末の衆院選後、日本テレビ系、フジテレビ系、NHKには出演したが、テレビ朝日系、TBS系、テレビ東京系への出演はない。テレビ東京は理由が浮かばないが、テレビ朝日は報道ステーション・古舘伊知郎氏の存在、TBSは安倍首相が昨年11月に出演した生番組でVTRの内容に注文を付けたことが咄嗟に思い出される。

 要するに、自分に嫌なことを言う番組は出演を避け、自分の言いたいことを言わせてくれる番組には好んで出演する、という姿勢なのだろう。こうしたトップの情報発信のあり方は、受け取る側の国民からすると物足りないし、国民が本当に知りたいことに答えない(あるいは番組内で質問すら出ない)可能性が高い。角度を変えれば、安倍首相とテレビ局がタッグを組んで情報操作をしていると見ることもできるだろう。

 震災後、県内でも被災自治体の情報発信力が問われた。有名なのはユーチューブを通じて市の現状を世界に訴えた桜井勝延・南相馬市長。馬場有・浪江町長、古川道郎・川俣町長らも積極的に取材に応じていた。一方で、時間の経過とともに自分に批判的なメディアの取材は拒否する首長も現れ、実際、本誌も取材を断られた首長が数人いる。

 佐藤雄平前知事もそうだった。本誌が24年4月に取材を申し込むと、知事直轄広報課の返答は「個別の取材には応じていない」。その1カ月前には地元2紙のインタビューに答えているのに、である。厳しい質問を浴びせられる可能性が高い雑誌(本誌)の取材はあらかじめ断る姿勢は、いまの安倍首相と何ら変わらない。

 果たして、本誌はまだ取材を申し込んだことはないが、内堀雅雄知事はどうなのか。とりわけ、被災地の住民はトップの考えを知りたがっている。定例会見を増やし、表面上は積極的な情報発信に努めている内堀知事だが、自分にとって嫌な質問をされたとき、どのように受け答えするかでトップとしての器の大きさが分かる。

(佐藤)

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