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政経東北速報解説版 毎月2回(1・15日)発行
続・事件屋 竹内陽一氏の仮面を剥ぐ
月刊政経東北
政経東北速報解説版
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揺らぎ始めた第二原発廃炉(2015年 12月号)

 10月12日、林幹雄経済産業大臣が就任後初めて福島県に訪れ、東京電力福島第一原発などを視察した。その際、福島第二原発の廃炉問題について「事業者である東電が地元の意見を聞いて(廃炉を)決めていくものと考えている。対応をしっかり見守っていく」とコメントした。

 内堀雅雄知事は就任直後の昨年11月、宮澤洋一経産大臣(当時)や東電の広瀬直己社長に対し、福島第二原発の廃炉を要請していた。また、県議会でも平成23年10月、県内全原発廃炉を求める請願を採択している。にもかかわらず、「第二原発再稼働は東電の都合で決めていい」と大臣自らお墨付きを与える発言をしたというから耳を疑った。

 閣僚では、高木毅復興大臣も10月7日の就任会見で「東北3県の原発も、原子力規制委員会の新規制基準を満たせば、ほかの地域の原発と同様に再稼働もあり得る」と発言。野党の批判を受け、地元紙のインタビューで釈明していたが、「政府の原子力政策は、世界一厳しい新規制基準に合格した原発の再稼働は認めるというものだが、福島の原発は同列に扱えない。福島の皆さんがどんな考えを持っているかに尽きる」と、再稼働に含みを持たせつつ、県民に判断を委ねた。8月に九州電力川内原発が再稼働となり、国は今後も新規制基準を満たす原発の再稼働は認めていく考えだけに、国策として第二原発廃炉を実現させるのはもう難しいということだろう。

 東電は、第二原発に関する判断を先送りしているが、環境が整った段階で計画を打ち出すと思われる。

 そうなると、再稼働のブレーキ役となるのは、原発事故で実際に被害を受けた県民となるわけだが、その県民の関心も年月が経つにつれて薄れつつある。

 11月15日、県議選の投開票が行われたが「原発廃炉」はすべての候補に共通した意見のため、選挙の争点にならなかった。とりわけその傾向が強かったのがいわき市選挙区で、脱原発団体の世話人を務める候補者ですら、選挙告示日直後の第一声ではまずコメ農家の窮状について話したほどだ。

 ただ、次頁からの富岡町関連の記事で触れている通り、楢葉町の避難指示区域が解除となり、富岡町でも解除されることになれば、今後、第二原発再稼働の話が浮上するのは間違いない。

 不安なのは、県議選で争点にならなかったのをいいことに、「第二原発再稼働について県民からの異論はないようだ」と国や東電に拡大解釈されることだ。そうならないためにも、県を挙げて第二原発廃炉を主張し続けていく必要があろう。

(志賀)

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