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政経東北速報解説版 毎月2回(1・15日)発行
続・事件屋 竹内陽一氏の仮面を剥ぐ
月刊政経東北
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争点は山ほどある(2016年 7月号)

 参院選の投票日(7月10日)が目前に迫る。福島県にいると県内の選挙情勢にばかり目が向きがちだが、全国的には自民、公明が優位に立っていることが各マスコミの調査で明らかになっている。

 安倍首相はこれまで同様、アベノミクスを争点に打ち出す。しかし、アベノミクスを下支えしてきた円安・株高は、イギリスが国民投票で下したEU離脱によって大きく揺らいでいる。 野党は早速、アベノミクスへの批判を強めているが、対案を打ち出せているかというと「大企業や富裕層に応分の税負担を求め、低所得者や若者への分配を進める」との公約を掲げるものの、有権者に十分浸透しているようには見えない。近い将来、政権が変わっても、アベノミクスの尻拭いに忙殺され自前の経済政策が効果を挙げなかったら「やっぱり自民党以外には任せられない」と国民にソッポを向かれ、民主党政権の二の舞になってしまう。

 有権者がアベノミクスを評価していないことは世論調査で明らかになっており、内閣支持率もひところの勢いは感じられない。にもかかわらず投票先を尋ねる質問では、アベノミクスを失敗と評価している人でさえ自民党と答える人が少なくないから、民進党をはじめ野党がいかに頼りないかが分かる。

 経済政策だけではない。今回の参院選で自民、公明が過半数を握れば、非改選の議席と合わせ改憲派4党で憲法改正の国会発議に必要な3分の2の議席に到達する状況。安倍首相は参院選公示直前の党首討論で「(改憲を)争点にしないとは言っていない」と曖昧な主張に終始したが、要するに改憲では票が逃げていくことを自覚しているのだ。 半面、秋の臨時国会では衆参憲法審査会を再始動させる意向を示している。アベノミクスを強調し、改憲に積極的に触れないのは選挙戦術と言えるが、改憲に本気で取り組む気なら有権者に真摯に訴えるべき。それをせずに選挙後、後出しジャンケンのように「われわれの訴え(改憲)が支持された」と言われても、大多数の国民は納得しまい。

 東電福島第一原発事故を教訓に「原発の運転期間は原則40年」と定めたルールも、原子力規制委員会が関電高浜原発1、2号機の60年までの運転延長を認可したことで早くも形骸化している。「原則」などという抜け道をつくるからこういう事態が起きるわけで、原発事故の教訓に学ぼうとしない安倍政権には閉口するばかりだ。

 アベノミクスだけではない。争点は山ほどあることを認識して1票を投じてほしい。

(佐藤)

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