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政経東北速報解説版 毎月2回(1・15日)発行
続・事件屋 竹内陽一氏の仮面を剥ぐ
月刊政経東北
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税金は「使い放題できるカネ」ではない(2016年 10月号)

 富山市議会を舞台にした政務活動費不正問題は、9月21日までに9人の議員が不正受給を認め辞職する事態となった。同市議会は定数40なので4人に1人が不正を働いていたことになるが、当然「他にもいるんじゃないか」との疑惑は拭えないし、引退した元議員も詳しく調査すれば疑わしい使途が見つかるかもしれない。富山では市議会に留まらず、県議会でも不正受給で2人が辞職している。

 問題は他県にも飛び火しており、これまでに山形県議、宮城県議、大阪・阪南市議に不正受給が発覚している。今後、オンブズマンやマスコミの調査が活発になるのは避けられないから、辞職に追い込まれる議員はまだまだ増えそうな勢いだ。

 そもそも政務活動費とは、地方自治法に基づき地方議員の調査研究やその他の活動に役立てる経費の一部として自治体から議会に支給される費用だが、通常の議員報酬とは別途支給されるため"第二の議員報酬"と揶揄されることも少なくない。

 福島県内でもかつて、郡山市議が受け取った政務活動費を一括してパソコンや地図ソフトなどの購入に充て、毎年受給するたびにその更新費用に使っていたことが問題視されたが、議員辞職することも返還されることもなかった。市議会で真相究明する雰囲気にもならなかった。本誌が調べたところ「私的な物品」を購入していた議員はほかにもいたので「自分も不正受給しているのに、他人の不正受給を追及できるはずがない」と及び腰になったのである。

 地方議員の問題とはいえ、これだけ世間を騒がせれば国が黙っているのもヘンだが、積極的に語ろうとする国会議員は皆無だ。なぜなら国会議員も、議員報酬とは別に毎月100万円の文書通信交通滞在費を受け取っているからである。名目上は「公の書類を発送し及び公の性質を有する通信をなす等のため」(国会法)支給されるものだが、使う場合は領収書不要で報告・公開の義務もないため、地方議員の政務活動費よりタチが悪い。個人的な借金返済や私設秘書の給与に充てているという話も聞く。

 要するに、税金を「使い放題できるカネ」と錯覚し、その使い方や報告・公開のルールを議員自らが決めているから富山市議会のようなデタラメが起きるのだろう。モラルや性善説に委ねられない以上は第三者機関の監査を定期的に受けたり、議員に前もって定額を支給するのではなく、後から実費を請求させる方法に変更するなど不正受給を防ぐ全国共通のシステムづくりが早急に必要だ。それでも改まらなければ、政務活動費はなくすほかない。

(佐藤)

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