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勘違い首長たちよ、目を覚ませ!(2017年 4月号)

 「県内の首長は『自分が偉くなった』と勘違いしてもおかしくない状況にあると思います」とは、某首長が自分の立場を冷静に分析した感想だ。興味深い話なので紹介したい。

 「被災地ということで、今は復興名目ならいくらでも国から予算がおりてくる。陳情や要望に行けば首相が官邸で面会してくれるし、大臣、副大臣、政務官、事務次官も留守でなければ直接対応してくれる。復興関連の閣議決定や予算付けがあれば首長の携帯に大臣から直接電話がかかってくる。そういう状況が当たり前になると(自分が偉くなったと)勘違いしてしまう首長はいるでしょうね」

 震災前は、いくら陳情してもそれが実現するまでには時間を要したし、省庁回りをしても応対するのは局長や課長が普通だったから、現在の"超VIP待遇"は「他県の首長たちから相当羨ましがられていると思います」(某首長)という。

 某首長は自分への戒めの意味も込めて、そういう話をしたのだろうが、問題は、勘違いしている首長がやはり少なからず存在することだ。

 某議員がこう嘆いている。

 「ハード面の整備では、国に要求すればそれなりの予算が付き、他県より優先的に進められるから、当初予定より前倒しで完了するのが当たり前のようになっている。『これを機に、やれるものは今のうちにどんどんやってしまおう』という首長の言葉を聞くと将来が心配になる」

 一昔前の首長は、自分の任期中に公共施設をつくることにこだわった。それが首長を務めた証しとなり、「定礎」に自分の名前が刻まれれば歴史にも残るからだ。しかし、そうやってつくられた公共施設はやがて膨大な維持管理費のかかる金食い虫となり、自治体の財政を逼迫させた。以来、無駄な公共施設はつくらないという方針のもと、財政健全化が首長の大きな仕事に変わっていった。この流れが今、逆戻りしつつあるというのだ。

 自治体は財政健全化が進み、基金等を設けて貯金するようにもなった。そのタイミングで震災が起こり、国からの予算が付きやすくなり、いくらでも事業ができる環境が出現した。自分が偉くなったと勘違いしている首長が復興という"美名"のもと、いろいろな公共事業に手を出せば、再び財政悪化につながってしまう。 せっかく好転していた自治体運営が、復興のおかげで暗転しかかっているのは皮肉と言うほかない。勘違い首長たちよ、目を覚ますんだ!

(佐藤)

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