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政経東北速報解説版 毎月2回(1・15日)発行
続・事件屋 竹内陽一氏の仮面を剥ぐ
月刊政経東北
政経東北速報解説版
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雑誌の立ち位置と役割(2017年 10月号)

 9月28日召集の臨時国会で衆院が解散され、10月10日公示、22日投開票の日程で衆院選が行われることになった。「なぜ、いま解散なのか」「大義がない」「森友・加計疑惑隠し」等々、解散前にはさまざまなことが言われたが、解散権が時の総理大臣の専権である以上、政権与党に有利なタイミングで行使されるのは致し方ない。(※解散権の制限を今後議論していく必要性は認める)

 ところで、今号の誌面をめくっていただくと分かるが、本誌は衆院選に関する記事を1頁も扱っていない。このタイミングで全く取り上げないのは、雑誌名に「政」の文字を標榜しておきながらいかがなものかというお叱りを受けそうだが、もちろんそれには理由がある。

 一つは、新聞、テレビ、ネットが連日報じている中、月刊誌は速報性の面で太刀打ちできないこと。雑誌は原稿を書いてから読者の手元に届くまでにタイムラグがあるので、取材時には"新鮮"でも、読者が目にするころには"賞味期限切れ"になっていることも少なくない。

 二つは、内容に独自色を出しにくいこと。最新の情勢は新聞、テレビ、ネットが毎日報じるし、当落予想は不毛と考えているので、雑誌にとって衆院選はアプローチしづらいテーマという認識が強い。もし雑誌に出番があるとすれば、立候補者にまつわる諸問題、新聞やテレビが取り上げないウラ話、論説ということになるだろう。

 三つは、この人が当選したら地域はこうなる、この政党が勝利したら国はこうなるという期待感に乏しく、高揚感も湧かないため、熱を入れて原稿を書く気になれないこと。これは、誰が当選しても政治はよくならないという諦めの気持ちから、投票に行かない人の心理と似ているかもしれない。

 このように書くと、長年の読者からは「以前は衆院選の記事を書いていたではないか」とご指摘を受けそうだが、今後も全く書かないと言いたいのではない。新聞、テレビ、ネットとは異なる雑誌の役割を認識し、いま自分たちが取り上げるべきテーマは何かを見いださないと、読者に飽きられ、必要とされなくなることを恐れている、と言いたいのだ。

 震災・原発事故から6年半余り。衆院選に関連して復興に焦点を当てたリポートは、新聞でもテレビでもネットでも見かけない。目の前の"お祭り騒ぎ(衆院選)"に惑わされるのではなく、「県民の役に立つ」という立ち位置から、日々起きている出来事をこれからも報じていきたい。

(佐藤)

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