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政経東北速報解説版 毎月2回(1・15日)発行
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獲得議席ほど支持されていない自民党(2017年 11月号)

 第48回衆院選は10月22日に投開票され、自民党が単独過半数を大きく超える284議席を獲得し大勝した。連立を組む公明党と合わせると313議席になり、憲法改正発議に必要な3分の2以上を維持した。今後はますます自民党1強(安倍1強)の色合いが強くなるものと予想される。

 一方で、朝日新聞(10月24日付)は、「野党共闘が実現していたら、63選挙区で野党候補が自民候補を逆転していた」との試算結果を伝えた。

 今回の選挙で自民党大勝の最大の要因とされるのが野党分裂だ。現政権への批判票の受け皿となるべき政党が乱立し、批判票が分散したため、結果的に自民党が押し上げられたということだ。筆者の周囲でも「自民党に投票する気にはなれないけど、かといってほかに投票する候補・政党もない」といった声はずいぶん聞かれた。

 ただ、朝日新聞の試算では、野党が分裂した選挙区は226選挙区あり、結果は与党183勝、野党43勝だったが、野党共闘が実現していたら与党120勝、野党106勝になっていたというのだ。つまりは、互角近く渡り合えたということで、少なくとも実際の結果ほど自民党の大勝はなかったのは間違いあるまい。

 もう1つは、自民党候補の小選挙区での得票率は全体で約48%、比例代表では約33%だった。加えて投票率は小選挙区・比例ともに全国平均で53・68%だったことを考えると、実質的な支持は小選挙区で約27%、比例代表で約18%ということになる。

 こうしたデータを列挙したのは、国民は獲得議席ほど自民党(現政権)を支持していないことを示したかったから。今回の選挙の詳細を分析すると、"敵失"によって自民党が勝利を収めたものであり、そもそも自民党の実質的な得票率は約18%〜27%に過ぎないのである。

 つまり、自民党は現行の選挙のルール上、安定的な国会運営が可能なだけの議席を確保できただけであり、決して国民から絶対的な支持を得たわけではないのだ。これは、現行の選挙制度に問題がある裏返しでもあり、この点についてはいずれの機会で検証したいと思うが、ともかく、自民党大勝のウラにはそんな実態があるのである。

 自民党、安倍首相にはそのことを自覚してもらいたいところだが、短絡的な安倍首相のことだから、「国民の支持を得た」として、これまで以上に好き勝手するに違いない。そうしてまた国民の政治不信が強まる未来しか見えない。

(末永)

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