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政経東北速報解説版 毎月2回(1・15日)発行
続・事件屋 竹内陽一氏の仮面を剥ぐ
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帰還困難区域再生「東電負担ナシ」への違和感(2018年 2月号)

 原発事故に伴う避難指示は昨春までにほとんどが解除され、残りは大熊・双葉両町の全域と、両町のほか5市町村にまたがる帰還困難区域のみ。ただ、同区域でも昨秋ごろから復興再生に向けた動きが本格化している。

 同区域の復興再生は、比較的放射線量が低いところを「特定復興再生拠点区域」に設定し、まずはそこから環境整備することになっているが、/靴燭癖断が生じる懸念がある、¬瓩訖佑凌与堯η齢などを考えると、現実的とは言えない、そもそも、事故原発や放射線量などは大丈夫か――といった問題があり、簡単ではないことをうかがわせる。

 それとは別に、気になるのが東電の負担についてだ。帰還困難区域復興再生は、28年12月に閣議決定された「原子力災害からの福島復興の加速のための基本指針」や、昨年5月に公布・施行された「改定・福島復興再生特別措置法」などに基づくが、その前者には次のような記述がある。

 ◯東京電力は帰還困難区域の全域・全住民に対し、当該区域での居住が長期にわたってできなくなることを前提として、賠償を既に実施してきている。

 ◯こうした中、当該区域内で放射線量が低下していることや、帰還を希望される住民の強い思いを背景とする地元からの要望、与党からの提言を踏まえ、政府はいままで示してきた方針から前に踏み出す形で、新たに住民の居住を目指す特定復興拠点を整備する方針を示した。

 ◯特定復興拠点の整備は、こうした国の新たな政策的決定を踏まえ、復興のステージに応じた新たなまちづくりとして実施するものであるため、(除染等の費用負担を)東京電力に求償せずに国の負担において行うものとする。

 除染費用は、基本的には国が一時的に立て替え、後で東電に請求する仕組みになっているが、帰還困難区域に関しては、東電に負担を求めないとされたのである。これにより、東電は数千億円、あるいはそれ以上の負担を免れたことになるが、,垢任貿綵済み、国の方針が変わった、まちづくりの一環として除染を行う――といった理由から東電に負担を求めないというのは、正直、意味が分からない。

 本誌は過去の記事で、数々の「東電優遇策」について指摘し、これが「普通の企業」が起こした事故だったら、このような優遇策は取られなかったに違いない、国による特定企業へのレント・シーキングでしかない、と書いてきた。どこまで行っても、この図式は変わらないようだ。

(末永)

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