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政経東北速報解説版 毎月2回(1・15日)発行
続・事件屋 竹内陽一氏の仮面を剥ぐ
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中間貯蔵施設「30年後」に向けて(2018年 8月号)

 除染で出た廃棄物を保管する中間貯蔵施設(大熊町、双葉町)が昨年10月に本格稼働した。以降、除染廃棄物を搬入しつつ、減容化施設や貯蔵施設などの建設を並行して進めている。貯蔵期間は30年間(2045年3月まで)で、その後は県外で最終処分する方針だが、最終処分場のメドは立っていない。

 そのため、「本当に30年後に運び出せるのか」との疑念は、立地町の関係者のみならず、多くの県民が感じているところだ。

 以前、双葉町の伊澤史朗町長が町政懇談会でこんなことを述べていた。

 「中間貯蔵施設に運び込まれた除染廃棄物は、30年後に県外搬出することが法制化されています。ただ、最終処分場が決まっていない中、中間貯蔵施設を最終処分場にさせないための担保をどうやってとるか。中間貯蔵施設の用地のうち町有地は約25%を占めます。町有地を国に売却せず、賃借にする方が30年後に搬出させることのより強い担保になるのではないか。国が30年後に持っていくところがないと言っても、『町の土地をもう貸しません』と突っぱねることができますから」

 立地町でも、30年後の「対抗策」を真剣に考えていることが分かる。

 現実に目を向けると、日本中どこを探しても最終処分場を受け入れてもいい、というところが現れるとは思えない。当然、国もそのことは理解しているはずだが、何しろ搬出は30年先の話だ。いま「責任ある立場の人」は、そのころには誰もそんな立場にはいない。つまりは「後は野となれ山となれ」でその方針が決められたに過ぎないのだ。

 筆者自身、30年後に運び出せるとは思っていない。最悪、そのほかの「核のゴミ」が持ち込まれることさえも考えられる。「核のゴミ」はともかく、除染廃棄物については、むしろそこに留め置く方が現実的ではないかと思う。

 ただ、そのことと、国が「30年後に県外で最終処分する」と約束(法制化)したことは別問題だ。そう約束した以上、間違いなく運び出してもらわなければならない。

 一方で、それが現実的でない以上、運び出せなかった時のことを、いまから考えておいた方がいい。具体的には、搬出完了が1日遅れるごとに、違約金をいくら払えというもの。もっとも、国が手放しで違約金の支払いに応じるとは思えないから、そのための訴訟準備をいまからしておき、30年後の県や立地町の責任者に代々引き継いでいく必要がある。

(末永)

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