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政経東北速報解説版 毎月2回(1・15日)発行
続・事件屋 竹内陽一氏の仮面を剥ぐ
月刊政経東北
政経東北速報解説版
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人気先行の内堀知事(2018年 11月号)

 任期満了に伴う福島県知事選は、10月28日に投開票され、現職の内堀雅雄氏が新人3人を大差で退け、再選を果たした。

 正直、選挙戦自体は取り立てて興味を引くようなことはなかった。自民、旧民進系、公明、社民の各党が支援を表明し、盤石の体制だった内堀氏が再選されることは最初から目に見えており、一言で言うと「低調」だった。おそらく、多くの県民が同じような感想だろう。それは投票率を見ても明らか。

 内堀氏に関しては、過去の本誌記事でも紹介したように、異常なほどに支持率が高いが、表に出にくい不平・不満も少なくない。県外の原発再稼働や原発賠償問題、甲状腺検査の問題などに深く言及しないなど、原発事故対応の点で、まだまだ十分でないと感じるところも多い。

 そもそも、内堀氏の高支持率は「マメさ」や「フットワークの軽さ」に基づく「人気」がもたらしているもので、純粋な「手腕」や「実力」などとは別なところで評価されている印象が強い。そういう意味で、内堀氏の高評価は「実力より人気先行」と言える。前知事の、とりわけ震災・原発事故以降の不人気、実力不足が、内堀氏を余計に良く見せている側面もあろう。

 もっとも、1期目は「まずは周囲の信頼を固めていく」といった作業をするのは手法としてはアリだと思う。すなわち、前号の編集後記でも書いたが、いまの高支持率なら、少しくらい強引な手法を用いたとしても、さほど体制は揺るがないだろうから、何か1つでも、県・県民のためになる「これだ」ということをやる、と。そのためであるなら「人気先行」でも歓迎だ。

 震災・原発事故以降の福島県は、これまで誰も経験したことがない苦悩に見舞われた。その状況を劇的に変えるリーダーが現れることを願ったが、そうならなかった。言い換えると、ヒーローが生まれやすい環境だったわけだが、ついぞヒーローは現れなかったのである。いまでも、「あの時、リーダーがこういう音頭を取っていれば違ったのではないか」と思うことは多々ある。

 一定の落ち着きを取り戻したいま、ヒーローが現れる下地はなくなったが、まだまだやらなければならないことは多い。原発事故対応をはじめとする各種課題に真摯に向き合うと同時に、何か1つでも県・県民のためになることを成し遂げ、後に「内堀方式」、「福島方式」などと呼ばれるようなものが生み出されることを願いたい。 

(末永)

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